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第439話◇

 お風呂で、玲央に洗われて。キスされて。  あっという間に……ほんと容易く。玲央のと一緒にイかされてしまって。  くったり、玲央に抱き付いてたら。  このままここでするのと、ベッドでと、どっちがいい?と聞かれた。  すごく色々考えて。立ってられなくなりそうだから、「ベッドがいい」と答えたら、すぐバスルームは出る事になった。玲央が用意してくれていたバスローブを着させられて。 「どうせまたシャワー浴びるから、ドライヤーはあとでいい?」  そんな事を言われて、うん、と頷くと。  玲央に抱き上げられて運ばれる。しょっちゅう運ばれるから慣れてきてしまったような……。いいのかなと悩みながら、寝室のベッドに降ろされて。 「ちょっと待ってな」  玲央が部屋を出て行ってしまって、少しそのまま待つ。  なんか。……待ってな、って。  オレ、ここで待ってて、それで玲央が戻ってきて。  これからすること、考えると。  待ってる、って。  うぅ。なんかすごく、恥ずかしい気がする。  すぐに玲央が戻ってきて。ベッドの上で、玲央に置かれたままの形で座ってるオレに気付くと、一瞬じっと見られて。  それから、ふ、と笑われた。 「なんか……ただ待ってるだけで可愛いとか、何なの、お前」  クスクス笑い続けながら近くに寄ってきて、よしよしと頭を撫でられる。 「固まってた?」 「……うん、ちょっと……」 「とりあえず、水飲みな、優月」  笑う玲央に、ペットボトルを渡される。 「……ありがと」 「あぁ」  水を飲みながら玲央を見守っていると。  部屋の隅のライトを付けて、灯りを消す玲央を見つめる。  ――――……ほんと。カッコいいなあ。  何してても、絵になる。というか。  毎日毎日、こんなに何時間も一緒に居て。  それでも、見惚れる位。ずーっとカッコいいって凄いなぁ……。  いつも、そんな風に思ってるオレ。 「――――……なに?」  じっと見てると、玲央が、ふ、と笑う。  ……カッコ良すぎて、困るんだけど。って、言ったら、何て言うのかな。  笑うだけ?かなあ?    玲央がベッドに腰かけると、ギシ、とベッドが軋む。  オレが水のキャップを閉めたら、ペットボトルを受け取って、ベッドの下に置いてくれる。  体を起こした玲央と目が合うと、「ん?」と、笑まれて。 「なんか……玲央がね」 「うん?」 「カッコ良くて、いっつも見惚れちゃうんだよね……」 「――――……」 「どうして、そんな、カッコいいのかなあ??」  そう言うと。  マジマジと見つめられて、それから、やっぱり、くす、と少しだけ笑う。 「――――……優月」  腕を取られて、少し引き寄せられる。  じっと見つめられて。 「――――……オレよりカッコいいと思う奴、居ないの?」 「居ないよ?」  言われた瞬間に即答したら、ふ、と笑った玲央に更に抱き寄せられて、そのままベッドにゆっくり、押し倒された。 「優月」  ちゅ、と頬にキスされる。  毎日のように、こんな風に、過ごしてるのにな。  ドキドキで、死にそうで。  だって上に居る玲央って。死ぬほど、色っぽく見える、し。  これから、何されるか、どうなるか、分かってきてるから、日々、余計にドキドキが増えていくんだと、思う。 「ちょっとプレッシャーかも」 「……??」 「……カッコ悪い事、したくないとか思うなー」  オレは玲央をまっすぐに見つめて。  プルプル首を振った。 「何してても、カッコいいから大丈夫。気にしないで」 「――――……何してても?」  玲央が可笑しそうに目を細めて。オレを見つめる。 「カッコ悪い事してても、絶対カッコいいから」 「――――……」 「ていうか、大好きだから、余計カッコよく見えると思うし。あ、でも好きじゃなくても、玲央の事、カッコ悪いって言える人は、居ないと思うけど」 「……何だそれ」 「だって……居ないと、思うよ?」  近づいてくる玲央の顔。好きすぎて。 「――――……」  唇、重なっても。  瞳、閉じるのがもったいないなーと思ってしまう位。

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