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第444話◇
【side*優月】
オレ、何言ってんだろ。
玲央と、してから寝ると、ぐっすり眠れるとか言っちゃったよ……。
顔から火が出そう。
少し俯いて、両頬を手で挟んでしまう。
もう、ほんとオレ、バカだな、言ったら絶対恥ずかしいって分かってたのに。玲央がオレの返事待ってるからって、ついつい本当の事言っちゃった。
うう……。恥ずかしい。
「――――……優月?」
手が伸びてきて、玲央の手が、オレの頬に触れようとする。頬を挟んでた自分の手を自然と外すと。玲央の手がオレの頬にそっと、触れて。
「すげー熱いな……」
クスクス笑って、玲央がオレの手を掴む。「おいで」と引かれて。
言われるままに立って。玲央の近くに歩いていくと、玲央が、オレを自分の上に座らせた。玲央の太腿をまたいで、向かい合わせで乗せさせた感じ。
「……可愛いこと、言うよな、ほんと」
頬を挟まれて、玲央の顔、間近で少し見下ろす。
「顔そんな赤くして、そんな事言われるとさー」
「――――……っ」
「……学校休もうかなーとか、思っちゃうんだけど?」
「――――……?」
学校休む……? 休む??
休んで――――……。
「これからベッド、行く?」
ちゅ、と頬に、キスされて。
あ、やっぱり、そういう意味……。
うう、恥ずかしい……。
オレがあんな返事したから。
玲央の手がオレの後頭部に回ってぐい、と引かれて、唇が重なる。
「ン」
――――……うわ。……舌……。
軽いキスじゃなくて。
急に、すごく熱いキスで。
「……っん――――……ふ…………」
「コーヒーの味する……」
一旦離した玲央が、舌、舐めながら、そんな事を囁いて。
「ぅん、する――――……っン……」
頷いた瞬間、またキスされる。
――――……熱い……。
ぼー、としてくる。
「……ベッド行く?」
しばらくキスして。それからゆっくり離して。
クス、と笑って玲央がオレを見下ろす。
「ベッド……」
うん、行く。
――――……と言ってしまいそうになったけど。
「……れお、学校……」
じっと見つめると、玲央は、ふと目を細めて。
オレをぎゅ、と抱き寄せた。
「分かってるよ。……本気で言ったわけじゃないけど」
「――――……」
「あ、少し本気かな」
クスクス笑って、玲央が言う。
「つーかお前……何でそんな、可愛い事言うかな」
「――――……恥ずかしい事言ったよね……」
「恥ずかしそうなのに、言っちゃうとこが可愛いンだよな」
クス、と笑った玲央に、頬にキスされる。
「今ので、手出されても、優月、文句言う権利ないと思うんだよな」
ちゅ、ちゅ、と顔にキスされて。
くすぐったい。
「……ん。くすぐったい……」
首にキスされて、びく、と震えると。
「あーもう可愛い……」
言った玲央に、また唇にキスされて。
結局時間ギリギリになるまで。
もう、ベッド、行きたい。
そんな風に、言っちゃいそうなのを、抑えるのが、大変な位に。
めちゃくちゃキスされる事になってしまった。
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