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第465話◇

【side*優月】  授業の後、玲央の車でオレのマンションに来て、荷物をまとめ始めた。  確か服を出しながら、何か話していたんだと思うんだけど。  急に、キスされて。  玲央がキス、好きなのは知ってるし。すぐ、してくれるし。  軽いキスかなと思ったら、なんか激しくて。  頭が、ぼんやりしてく。    さっき、押し倒したいけど我慢する、て言ったのに。  ボタン外されて、なんか、鎖骨の辺り、吸いつかれて。  すこし痛かった後、舐められて。   「しるしだけ先につけとく」  そんな風に言う、玲央の瞳は。  いつもそういう事してる時の。熱っぽい……やらしい時の、玲央で。  ゾクッとしたものが、腰から、背筋を駆け上がる、というか。  玲央は、あとで、て言ったのに。  ゾクゾクが、止まらない、というか。  そのまま離してくれれば、落ち着いていくと思うのに。  全然離してくれなくて、さっきまでよりも深く、キスされる。 「ん、ンっ……」  舌が吸われる、音、が。  耳から入ってきて。  舌からも、耳からも、なんか、色々されてるみたいで。 「……んん……っふ……」  ――――……まだ全然ついていけない気がする、玲央の本気のキス。  かくん、と首から力が抜けそうで。項に置かれた手に、全部委ねている感じ。  息、鼻でって、いつも何度も言われて、今も意識してるのに、ちゃんと出来なくて、空気が足りない。熱い。涙が、零れてくと、玲央の指が涙をぬぐう。  吸われてた舌が離されて、でも動かせずにいたら、今度は玲央の舌が、中に入ってきた。 「――――……んん……っ……ん、ぁ……っ」  ダメ。  なんか。 「……っれ、ぉ」  なんか。  ――――……ゾクゾクしたものが、強すぎて。  いつも玲央に、抱かれる時の、感覚が。  なんか、体の中で。 「や……っぁ、ん」  首筋に触れられてる手だけにも、ゾクゾクして、びく、と体が震える。  涙が浮かんで。  目の前が霞む。 「――――……んっ……っぁ……」  全部、熱い。頭の中も。体も。息も。  どうしよう、まだ、キスしか。されてないのに。  オレばっかり、こんなに、どうしようもなくなって。 「玲央……は、なして……?」  今離してくれないと、オレの方が、収まらなくなる気が、する。 「――――……今離していいの……?」  くす、と、玲央が笑う。うん、と頷く。 「……っじゃないと、なんか……」  そう言うと、ふーん、と至近距離の玲央の瞳が、細められる。 「離さないと、どーなんの……?」 「…………っ」  何て言えばいいんだろ、と困っていると。  玲央の手が、耳に触れて、耳の中をくすぐる。 「ひ、ぁ……っ」  ぞくん、と強烈な感覚に震えて。  ぎゅ、と目をつむる。続けてくすぐられて、竦めた肩を戻す事も出来ない。 「……耳、っやめ……」  訴えた唇をまた、キスで塞がれる。  しばらく、激しいキス、受け止めていたら。  少しだけ離されて。すり、と頬を撫でられて。 「ごめん優月――――……今、やっぱ、離せない」  少しだけ離れた唇の間で、そんな風に言われて。  どく、と心臓が、反応する。  ああ、もう……。  好きすぎて。  心臓、痛い。 「……ん……」  また重なってくる唇に、瞳を伏せる。  もうオレきっと。玲央のすること、なんでも、どんなことでも。  気持ちいいしか、ないんだと、思う。  玲央が、触れてるって、思うだけで。  ――――……なんかもう。ダメなんだと、思う。    ぎゅ、と、玲央の服に捕まる。

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