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第486話◇
――――……。
気づいたら。ベッドに横になってて。
髪をサラサラ撫でられてる感覚。
ゆっくりと瞳を開けたら、目の前の、玲央の瞳が緩んだ。
「おはよ」
優しい声で言われる。玲央とこうなってから。いつも目覚めると、玲央がこうしていてくれて。
なんか。目が覚めた時から、めちゃくちゃ幸せ……。
「うん……おはよ」
そう答えると、笑んだ唇が重なってきて、少し触れる。
玲央を見つめたまま、キスを受けて、今なにしてたんだっけ、と思い起こして。
あ。
また、寝ちゃったんだ。オレ。
最後、いつも、ふ、と、気が遠くなって。
あれは寝てるっていうのかな。とにかくもう、限界で……。
「――――……」
何か今日。玲央。すごく、激しくて。
もうむり、て言っても、もう少し、て。……もう少し、じゃないしなぁ……。
快感が強すぎて、怖くなって、ちょっと逃げようとしたら。
何で逃げるの、て聞かれた。
気持ち良すぎて怖い、て言ったら。
腰掴まれて、中、めちゃくちゃに突かれて。
「……玲央、オレ……死んじゃうかと思った……」
「ん?」
「…………頭、おかしくなって」
「――――……気持ち良くて?」
「……うん」
オレが頷くと、くすっと笑って、玲央がオレの頬を、両手でスリスリし始める。さっきまで向かい合って寝てたけど、今は、キスしたまま、玲央の腕の中。
「気持ち良くて死ぬなんて無いから、大丈夫」
笑いながら、頬にキスされて。
「……でも、なんか……頭の何か飛んで、そのままとか……」
「意識がちょっと飛んじまう位だから」
むむ。ちょっとじゃ、全然ないんだけど。
すごくすごく、きついんだけど。
『イっていいよ。ほら』
言いながら玲央がすることは、ほんとに、オレが気持ちいい事ばかりで。
何度も、言われて、容易く、イっちゃって。
なんかもう。その内耳元で言われただけで、そうなっちゃうんじゃないかなと、怖い位。
「……気持ち良すぎてとか、してる時に言われて、そこで離す男なんか、絶対居ないと思うんだよな……」
そんな風に言いながら、クスクス笑う玲央は、オレをよいしょと動かして、自分の上に乗せた。
オレは何だかとっても体がだるすぎるので、玲央の肩の辺りに、頬をくっつけて、そのままで居たら、頭をヨシヨシされる。
「いっぱい泣かせてごめんな?」
優しく撫でられて。もう何も言う事は浮かばず、うん、と頷いてしまう。
――――……ていうかそもそも、嫌で泣いたわけじゃないので、ごめんて言われる所でもないと思うのだけど……。
「――――……玲央は、どれくらい、きもちい?」
「――――……んー……?」
そう聞いたら、玲央はクスクス笑いながら、少しの間、無言で。
「どれくらい、かあ……」
「うん」
「んー……そうだなー……」
「うん」
何て言うんだろう。ちゃんと気持ちいいって言ってくれるかな。
ちょっと楽しみになりながら、答えをワクワク待っていたら。
「――――……優月が、意識飛ばなかったら、ずーっと続けたい位、かな」
えーと……。
えーと、それは……。
ずーっと……?
瞬きがものすごい増えてしまう。
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