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第487話◇
えーと。
と、ほんとに結構しばらく考えてながら、少し顔を起こして、玲央を見上げる。玲央は面白そうに微笑んだまま、オレの返事を待ってて、何も言わない。
「あの……もしさ、オレが大丈夫だったら、どれくらい、できるの?」
「聞き方……」
面白ぇな、と玲央が笑って、くっついてる体が揺れる。
じー、と玲央を見つめると。
「……試しに、朝までしてみるか?」
「――――……したこと、ある?」
あ、あるのかな。……あるの? 朝まで? ずっと??
ドキドキ……。
何だかよく分からないけど、ドキドキしながら玲央を見ていると。
「……無いよ」
「――――……」
ほっ。
――――……何となく、よかった。
すると、玲央は、ぷに、と頬を摘まんできて。
「今ほっとしてるのってさ。朝までってのは無くて良かったーって、ただそれだけ?」
「え? ……うん。まあ……そうだけど……?」
「朝まで誰かとした事なくて良かった、ていうんじゃなくて?」
「――――……?」
「……オレが、朝までずっとしてるような相手が居なくて良かった、とかじゃないのか?」
朝までずっとしてるような相手……。
玲央の言葉を頭の中で繰り返してから。
「……あ、そういう意味……。うん、違う。朝までとかだと、びっくりだから……」
そう言うと、玲央はまたクスクス笑う。
「オレだったらこの話で考えるのは、きっと、オレが言った方だから。……優月と話してると、どっちが普通なんだろって思ってくるな……」
ぷに、と頬をつままれて伸ばされる。
「……オレ、優月となら朝まで出来るかも。週末どっかで試そっか。意識飛ばさないように、加減するから、ゆっくりじっくり」
「――――……」
ちょっと想像して。でもすぐ、ひゃー、無理、と咄嗟に思ってしまって。そしたら、全部顔に出ただろうオレを見て、玲央が、ぷ、と笑って。
「――――……ほんと可愛い」
伸ばされた頬を離されて、体勢変えて抱き寄せられて、キスされる。
柔らかく触れるだけの唇が離れて。
ちゅ、と頬にキスされる。
「シャワー、朝な? 少し早く起こすから。まだ夜中だから、眠りな」
「……ん」
枕に頭、埋められて、頬にキスされて、玲央と向かい合う。
顔、見つめ合って。ふ、と笑う。
「――――……玲央、おやすみ」
「……ん」
何だか、ちょっと玲央が、照れたような感じで笑むけど。
……気のせいかな。
特に聞かないまま、撫でられてる内に、また、うとうと。
大好き。
と、心の中で、ふわふわ思いながら。
最近いつもそうなように、とっても幸せな眠りについた。
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