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第515話◇
【side*玲央】
バスルームから出てきて、コーヒーを淹れながら。
ソファに座って、ぽわぽわしてる優月に視線を向ける。
優月と学校で別れた後は、皆でカラオケに行った。
面倒だからって、昔からのグループに適当に誘いを入れたらしくて、結局男女あわせて、十五人位が集まった。一通り歌ったり食べたりしたところで、そういえば、と話が振られた。
オレが最近マジで付き合い出したという噂が飛んでるらしくて。それが男だってことも。まあ、隠す気もないから、そう、とだけ答えて、優月の名前までは出さなかった。何となく、大騒ぎで触れ回られるのも嫌だったから。
オレがそうしたからか、勇紀達も名前は出さず、ただ、相当デレデレだから、みたいな事を言ってた。
で、皆にからかわれながら、先に切り上げて、優月を迎えに行って――――……優月は優月で、オレの家のことを心配して、オレの名前は言わなかったらしい。……まあ、バレていた気がするけど。
連れて帰ってきて。
――――……とけるキス、とか、可愛すぎる優月に、キスしまくって、触れて、イかせて。どろどろにとけるみたいに、気持ち良くして。
最後まではしなかったけど――――……結局、びくびく震えて喘ぐのが可愛すぎて、まあ。
さんざん乱して、触れて、最後また、一緒にイッて。
綺麗に洗ってやってから出てきたけど。
ドライヤーをかけてる間から、こっちに来ても、なんだかもう、ぽけーと、のぼせてるみたいな顔をしてる。
コーヒー淹れてやるから待ってて、と言ったら、ふらふらー、とソファに歩いていって、ソファに乗っかって、クッションを抱き締めて寄りかかってる。
ふ、と苦笑い。
あれ、復活するかな。
……ちょっとやりすぎたかな。
キス、しすぎたし、イかせすぎたかも。
だって、なんか、すげー可愛すぎて。やばいんだもんな、優月。
外で見てると、純粋というのか、純朴っていうのか。
可愛いしかないんだけど。
キスして触れると、ものすごく素直に、気持ち良いのを受けとめるというか。反応も可愛くて。涙目で見られると、一気にクるし。
――――……余裕なくなって、待って、とか言われてんのに、待ってやれなくて、無理、なんて言って触り続けて乱すとか。
……ちょっとやりすぎで、ひどかったかな……と自覚する。
シャワーからこっち、何もしゃべんないんだよな……。
さすがにちょっと、怒ってる……?
思いながら、コーヒーのマグカップとアイスを、優月が居るソファのサイドテーブルに置いた。
「あ」
近づいたオレを、優月が、ふ、と見上げる。
じ、と見つめて。
それから――――……。
「……ありがと」
ぽわん、とした顔のまま。
にっこり、微笑む。
「――――…………」
……可愛い。
なんなの、これ。
すり、と頬を撫でる。
「……しゃべんなかったけどへーき?」
「ん?……あ、うん……」
頬に触れてる手に、すり、と頬を寄せてくる。
「なんか……きもちよすぎて、頭、ずーと、ぼーとしてて……」
ほわわん、としか表現できない顔で笑って。
オレを見つめてくる。
――――……ヤバいな、これ。
際限ない位、可愛いって思うんだけど。どーすっか……。
いや、どーすっかも何も、アイス、食べさせてやんないと。
思って、優月にアイスを差し出すと。
また、ありがと、とぽわぽわ笑う。
……だめだオレ。
いつからこんな、ぽわぽわが、こんなに愛おしくなってんだか。
ヤバすぎる。
もう可愛い、しかない。
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