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第525話◇
【side*優月】
ふっと、目が覚めた。
一瞬で、どうやって眠ったかを思い出して、顔どころか、全身が熱くなってしまうような感覚。
……バスルームで、めちゃくちゃ触られて、気持ち良くて。
なんか、すごく、ほわほわっとした感覚のまま、しばらく過ごした。
なんか――――……気持ちいいのが、ずっと、ほわほわ続いてるような。
なんだろう。ずっと気持ち良くて、玲央が、肌に触れるだけで、そこから急にゾクゾクしたものが広がるみたいな感覚まであって、不思議でしょうがなかった。
ベッドに入ってからの玲央はもう。
……オレのゾクゾクを、もう最大限迄、めちゃくちゃいっぱいにしてきた。
…………玲央って、ほんとすごいなあ。
――――……今までのセフレの人達のことも、あんな感じで、気持ち良くしてたなら。そりゃ、玲央と、そういうことしたい人は、絶対いっぱい居ただろうなあ……と、しみじみ思ってしまう。
オレに触ってる時の、優しい瞳が、あんな風に、他の人にも向いてたのかなと思うと、ちょっぴり胸が痛いのは、これが嫉妬というものなのかなあ。なんて思ったりもするけど。
……でも、前のことは言ってもしょうがないし。
今の瞳が、オレをまっすぐ見てくれてるのは信じてるし。
今の玲央が、大大大大好きなので、そこのちょっびりの胸が痛いのなんて、遠くに簡単に投げ捨てられる気がする。
玲央は、そういうこと、経験がたくさんあって。
なんかもう、それを最大限オレに使ってる気がする……。
もう、死にそうに気持ち良くて、怖くなる位。
なんか、頭、ぷちってなって、どっか行っちゃうんじゃないかなとか。
真っ白になってるのに、さらに続けられると、なんかもう我慢できなくて、すごい泣いちゃうのだけど、玲央は、それを可愛いって、すごく言う。
いつもめちゃくちゃ優しくて。
でも、だんだん激しくなってきてからの玲央は――――……なんか、すごく強引に、なって。
少し逃げようとすると、ダメだよ、と止められる。
めちゃくちゃ、気持ちよくさせられて、息もまともに出来ないオレにめちゃくちゃ激しく触れて。
……なんか。
オレを組み敷いて、逃げないように押さえて、オレを、抱く玲央は。
すごくすごく色っぽくて、カッコいい。
見上げて、玲央を見てるだけで、心臓が壊れそうにドキドキするし。
抱き付いた玲央の体が、汗ばんでて、すごく熱いっていうだけで、玲央が興奮してるのかと思うと、ゾクゾクして、死にそうなくらい。
もう無理って感じになって――――……。
「――――……」
玲央は、オレが少し動くと起きちゃうので、どこも動かさないように、そーっと、視線だけ上にあげて、オレを抱いてる玲央を見つめる。
……カッコいい。綺麗。
――――……いつも優しすぎる位、優しいのが、少し強引になる所も。
……めちゃくちゃ好きで。
もう、死ぬほど好きなんだけど、どうしたらいいんだろう。
とか。
真剣に思ってしまう。
――――……唇が、目の前にある。
シてる時の、玲央の息が、熱くなるのも。
は、と息遣いが耳元で響くのも。
思い出しただけで、死にそう……。
きゅー……と、締め付けられて、胸が痛い。
ヤバい。
キス、したい。
――――……したら、起きちゃうかな。
……起こしたくはないな。
オレ、肌、サラサラしてるし。
きっとまた、綺麗にしてくれてから、寝たんだよね。
オレ、いつ、寝ないで済むようになるのかな……。
いっつも綺麗にしてもらって、申し訳ないけど……。
……だから、せめて起こしたくはないんだけど……。
――――……キス、したいなぁ。
じー、と玲央の唇を見上げて、瞬きを繰り返す。
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