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第541話◇
補充させて、とか。
……今まで言ったことないし、考えたことも、無い。
「……ん……ふ…………っ」
少し角度を変える時、唇の間で、はぁ、と息をつく。
熱い息に、すぐにまた唇を重ねて、深く――――……。
「……ン、……ぅ……」
頬から、少し手をずらして後ろに――――……その途中で耳に触れたので、悪戯にくすぐってみると、びく、と震えて、唇が一瞬外れる。
すぐにまた唇を重ねて、優月の口の中、めちゃくちゃ舐める。
「……んん、ん……っ」
くぐもったようにあがる、声も。少し寄ってる眉も。ぎゅっとオレの服を掴んで、プルプルしてる感じも。――――……可愛すぎる。
「……優月」
「……う、ん……?」
はぁ、と息をつきながら、優月はオレをぼんやりと見上げる。
「……すげー好き、お前のこと……」
オレを見るその瞳を見てるだけで、なんか、好きでたまんない。とか。
……オレが、そんなことを思う日が来るなんて。
「――――……」
キスについてこれずに、上気した頬で、ぼーっとオレを見ていた優月は、あ、と呟いて、多分言われたことを理解した瞬間、ますますかあっと赤くなった。
「――――……」
なんだか、もう――――……すげえかわい……。
……もっと乱したい。
可愛い顔見たい。
ソファに押し倒して、キスを繰り返しながら、服の裾から手を入れて、肌をなぞる。びく、と震えて、瞳が開く。
「……れ、お……?」
「――――……もうちょっと……していい?」
「…………」
返事はないけど――――……。
嫌がりもしてない。
と思ったら。
「……じ、かん……ないよ?」
「ん?」
「グラ、タン……もう、焼けるよ?」
は、と息をつきながら、優月が時計を見ながらそう言う。
「え、もう?」
「……さっき時計、見たから――――……」
もう? 十八分とか言ってたけど。
そんなに経つか?
「まだ、平気だろ?」
言った瞬間、ぴー--、とオーブンが終わりを告げた。
優月、まだ赤い顔のまま、ふ、と笑い出して、「ね?」とオレを見つめてくる。
――――……そんな経ってた? キスしてる間。
つか、オレ、どんだけ夢中になってんだ。
「……冷めちゃうから……食べる?」
「~~~……」
優月がちょっと困った顔でオレを見上げて、そんな風に聞いてくる。
「……優月」
「――――……ん……?」
再び唇を重ねて、深くキスして、舌を絡めて優月の背に、直に触れる。
「……ん、ふ――――……?」
めちゃくちゃ 名残惜しく、その舌を離して、唇を離す。
「絶対早めに終えるから。――――……夜まで我慢する」
「――――……」
優月をぎゅ、と抱きしめて言うと。
優月は、腕の中で、クスクス笑って。
「……オレも……我慢するね……」
そんな風に言いながら、すり、とすり寄ってくる。
ああもう。
――――……もっとすげえ触りたかったけど。
……この感じだと、始めたらオレ、離さない気がする。
今しか離してやれないような。
仕方なく、優月をヨシヨシしながら、意志を総動員することになった。
◇ ◇ ◇ ◇
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◇ ◇ ◇ ◇
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「恋の熱」
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