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第555話◇

 めちゃくちゃ玲央が好きだなと思ってしまって。くっついてたけど、途中で、ごはん中だったことに気づいて、あと玲央はまだ曲作りにいくし、と、仕方なく離れた。  玲央の手が、オレの頬に触れて、あとでまたな、と笑いながら、キスされる。「あとでまた」という言葉に、ドキドキしながら、食事を再開。  ……あとで。かぁ。  ――――……今日は一緒に、寝れるかなぁ。  ……昨日も結局抱き締めてくれて。寝るまで居てくれたけど。  …………って、オレ、ものすごく、あっという間に寝ちゃったけど。  邪魔しちゃいけないから、早く寝ようとは思ったけど、早すぎた気がする。  玲央の腕の中にいると、安心して、ほかほかで、すぐ寝ちゃうんだよね。  ……ああでも、触れられてる時は、死ぬほどドキドキしてて、全然安心とかとは真逆だけど……。  ……ってオレは、ごはん中に玲央の横で、何を考えているんだろう。  気を取り直して、箸を持ち直すと。  玲央が急に笑い出したので、びっくりして、玲央の顔を見つめる。 「今、ずっと何考えてた?」 「……え??」 「……ニコニコしたり、困ってたり、で最後はなんか、ごはん食べなきゃ、みたいな」 「――――……」  ……顔に、そんなに出てましたか……??  心の中で敬語になってしまう。   「ああ、もーほんと……」  クスクス笑いながら、玲央がオレの頭をよしよし撫でまくってる気がする。 「――――……ああ、なんか……あれだな、瞳が似てるのかも、優月たち」 「……そう?」 「優月は顔似てるって言ってたけどさ、一樹はわんぱくっぽいし、樹里はどう見ても女子だし、そこまで似てないかなって会った時は思ったんだよ。ただ、素直なとことか、雰囲気はすごい似てると思ってて……」  クスクス笑いながら、玲央がオレの頬にキスする。 「……今撫でてたら、あの二人撫でてた時もおんなじ瞳してたなあと思ってさ」 「うん。瞳は似てるかも。アップで写真とると、おんなじ感じの顔になるんだよね」 「――――……今度四人で写真撮ろうな」  クスクス笑いながら玲央が、オレをゆっくり離しながら、最後にまた頭をなでる。 「撮ったら待ち受けにしようかな……」  クスクス笑いながら、玲央がそんなことを言っている。 「そんな写真、勇紀や稔に見つかったら餌食だけどな……」 「……喜ぶだろうね」 「喜ぶっていうのとも違うような……」  玲央が苦笑いで、んー、と考えてる。 「からかうネタ、みつけた、みたいな感じじゃねえ?」  とっさに、そんなことないよ、と言おうとしたけど。  ……ありそうで、笑ってしまう。 「……特に稔は、玲央をからかうのに一生懸命な気がするもんね」  クスクス笑ってしまうけど。 「でも仲良しだもんね?」 「……どうだろうな?」  そんな風に言いながらも、玲央の顔は優しいので。  ますます、そういうのって、楽しいなあと、思う。     (2022/9/29) 555話(*´▽`*)♡ お知らせ ◇ ◇ ◇ ◇ やさしいけだもののSS「金木犀」を公開してます♡ 短いお話です♡ ぜひ♡ https://fujossy.jp/books/23921

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