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第596話◇
「……れお」
「ん……?」
優しく聞き返されると、それだけで胸が痛い。
世界中で一番、優しい返事なんじゃないかなあって本気で思ってしまう。
「あの……」
「うん?」
「くっついてもいい……ですか?」
「……だから何で敬語」
クスクス笑ってから玲央が、いいよ、と言ってくれる。
なんかもう、色んなとこがゾワゾワしてて、しがみつきたくなってて。
玲央の方を向いて、背中に手を回して、ぎゅー、と抱きついた。
つかまって、少し、ほっとする。
「……大好き」
「うん……な、優月、触られるの怖かったりする?」
「え。怖くはない。けどちょっと、なんか今までにないから……なんか……」
「うん?」
「……めちゃくちゃドキドキ、する……?」
「そっか」
ふ、と笑う玲央。
「……体洗うのなんて、毎日なのにさ、何で玲央がすると、こんななのかな」
「……」
少し黙った玲央が、ふ、と笑う。
「こんなって?」
「……こんな……えーと」
玲央の、ボディスポンジを持った手が、する、と背中を撫でた。
「ひゃ」
背筋がぴん、と伸びて、びっくりして玲央を見上げてしまう。玲央はクッと笑い出して、ちゅ、とオレの頬にキスした。
「可愛いなあ、ほんと……」
「ひ、ゃ、……」
背筋から腰に回って、お尻に玲央の手が回ると。
ただ洗われてるだけだって思って、自分を落ち着かせようとするのだけれど、全然だめで、ぴくぴく震えてしまう。
「……ん……ン……っっ」
「……んー?」
ぎゅ、と玲央の二の腕を掴むと、玲央はクスクス笑いながら、ちゅうちゅう頬や首筋にキスを繰り返す。
「く、すぐった……」
「うん。知ってる」
クスクス笑う玲央が、耳にキスして、ふ、と息をかけてくる。
びく、と体、震える。
……え、何で。
もう、なんか、何されても……。言ってしまえば、たかが息、でも、なんかものすごいゾクゾクしちゃって。
なんかオレ……体、変。
「~~~……っ……」
上半身、洗われた後、玲央が少し体を下げる。
「玲央、もう自分で、洗う……」
「遠慮しないでいいって」
「……えん、りょじゃ……」
足首持たれて、片足ずつ、洗われるんだけど……。
「……っ……」
なんかこれ、続けられてると……。
なんか、足、触られてるだけでもうなんかもう……。
「…………っん……」
びく、と腰を引く。
「ん。洗い終わった」
ボディスポンジをぽい、と手放して、玲央がオレを抱き寄せた。
「……っ……」
「……触ってほしい?」
クスクス笑う玲央は……意地悪だ。
なんかもう、何でオレってば体洗われてるだけで反応してんのって思うけど。でもでも、これは、絶対、玲央が……。
「……ぅん」
頷いて、玲央を見上げると。
ふ、と色っぽく笑う玲央は、もう。絶対確信犯で。
オレがゾクゾクするところを、ゾクゾクするような触れ方で、触ってくるから、オレがこうなっちゃってるんだとしか、思えない。
「……っ……んん、……」
玲央が、ボディーシャンプーのついた手で、ぬる、と触れてくる。
直接的な刺激と、一気に熱くなる体を持て余して、玲央にしがみついた。
もうもう。玲央、ってば。
触り方が、エッチ、なんだよう……。
なんなら微笑まれるだけで、その気にさせられそうな気もしてくる位。
おしらせ♡
(2022/12/6)
昨日のブログに、優月が甘いもの飲んでるだけ(*´艸`*)のSSがあります~。
https://fujossy.jp/notes/32557
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