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第646話◆番外編【優月・お誕生日】4

 一通り皆と話して、おめでとうを言ってもらって。  びっくりしすぎてたのがやっと収まった頃、美咲がとっても大きなケーキを運んできてくれた。  テーブルに座らされて、初めてって言う位の大合唱のハッピーバースデーの中、ろうそくを吹き消したところで、電気がつく。  今日はもう席は決めずに、好きに動いて話そうって玲央が言って、皆で食事が始まった。  感動が落ち着いて、皆が食事を食べ始めてから、ふと、飾りつけを眺めると。  めちゃくちゃ豪華でびっくり。  一番広い壁面に、HAPPY BIRTHDAYと金の文字で書かれた水色の旗、水色と白の風船がたくさん。水玉やチェックの三角の旗が部屋の隅から隅にかかっていて、頭上にキラキラした金や銀のたくさんの飾り。  たくさんの食べ物と、飲み物。でっかいケーキ。  勇紀もオレが着替えてる間に着替えたみたいで、皆と同じくオシャレな服装。男は全員カジュアルな感じのスーツ。美咲も樹里も可愛い恰好してるし、母さんも今日はオシャレだし。  ここまで、ザ!パーティー!みたいなのは、初めてで。  なんかもう、びっくりばかりで。 「優月、可愛いー。そんな服着てると、見違えるー」 「似合う似合うー」  勇紀と稔が寄ってきて、めちゃくちゃ笑顔。「ていうか、二人もカッコいいし」と笑顔で返してから。 「勇紀は知ってたんだよね、皆が来てるの」 「当たり前。玲央に、皆が揃って準備するまでの時間稼ぎを頼まれてさ」  クスクス笑う勇紀に、ありがとね、と言うと。 「これでやっと優月も二十歳だねー、店でお酒も飲めるね」 「うん」  オレが頷くと、二人はクスクス楽しそうに笑いながら周りを見回す。 「玲央がここの皆、全員集めるって言いだしてさ。最初聞いた時は揃えるだけでも結構大変じゃないかと思ったんだけどさ」 「そう、だよね……」  人数、多いもんね。しかも普通に平日の夜だし。 「ほんと、頑張ってたと思うよ」  勇紀の言葉に頷きながら、ふと、玲央を探すと。今は、蒼くんと希生さんと久先生と話してる。  ここに居る人達、面識なくて、関わってない人同士も当然居るのだけど、皆適当に色んな人と話をしている感じで。すごく楽しそうにしてるのを見てると。  ……なんかまた泣いちゃいそうになるけど。  一樹と樹里も居るし、そんなに泣いてばかりはいられない。  ……さっきは不意打ち過ぎて、泣いちゃったけど。 「優月、後でさ、玲央にいっぱいお礼言ってあげて。きっと大変だった分、喜ぶだろうから」 「そうそう。分かってはいたんだけど、ほんと優月が大事なんだなって、今回また思ったっつーか」  勇紀と稔の言葉に、なんだかものすごく照れるのだけれど。  うんうん、と頷いた。  それはもちろん。めちゃくちゃ、ありがとうって、言うつもりだけど。 「二人も、ほんとにありがとね」  勇紀と稔にもそう言うと、二人は顔を見合わせて、クスッと笑う。 「オレらはおまけだよな、今回は玲央」 「そうそう」  稔の言葉に頷きながら、勇紀が可笑しそうに笑う。 「結構バンドの打ち上げとかさ、パーティーっぽいのもやってきたんだけどさ、玲央が準備に回るのって、レアすぎるからね」  そうなんだ、と聞いてると。いや、ちょっと待って、と勇紀が、うーん、と考え始める。 「……レアすぎるっていうか、初めてじゃないかなあ」  言いながら、少し離れてた甲斐と颯也を手招きして呼んだ。 「なあ、玲央がパーティーとか準備すんのってさ、レアっていうか……初めて?」  そう聞くと、「絶対初めて」と、颯也が即答した。だよね、と勇紀が笑うと。 「パーティーするから準備しろーてなタイプだよな」  甲斐も追い打ちをかけて、そんなことを言って笑う。 「まあそのレアを使う相手が優月ってとこが……玲央っぽいっつーか」 「多分優月のためなら、なんでもこなすんじゃねーの?」 「優月を盾に色々させてみるのもありだよなー」 「確かになんでもしそう。すげー面白いかも」  勇紀、颯也、甲斐、稔と、次々にそんなことを言って笑ってるので、なんだかオレももうクスクス笑ってしまう。  確かになんとなく、玲央が準備とかに回るのはイメージじゃないかも。皆が玲央のために自然と動いちゃうって方が、なんか目に浮かぶような気がする。  なんかそんな玲央が、言いだしてくれて、準備してくれたんだと思うと。  ……ほんとすごいことな、気がする。 (2023/3/18) 忙しいのやっと落ち着きました♡ とりあえずお誕生日終わらせますね(*'ω'*)💗

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