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第647話◆番外編【優月・お誕生日】5
皆とゆっくり話すうちに、どれだけ玲央が色々してくれてたかを、教えてもらう感じだった。ずいぶん前から、今日集まってくれるように調整を頼んでくれてたらしくて。直接連絡先を知らなかった人達にも漏れが無いように連絡とりあって、それぞれに準備してほしいものを頼んだりもしてたみたい。
部屋の飾りつけや、クラッカーとかの準備とか、料理、ケーキとか、色々分けて皆でやろうってことで準備してくれて、今日も、オレと勇紀が買い物に出たらすぐ、下の駐車場で待機していた皆を呼びに行って部屋に連れてきて、まず皆をそれぞれ紹介してくれてから手分けして部屋を飾り付けて、料理とかの準備。
オレと勇紀が、駅まで行って注文して帰ってくるそんなには長くない間に、見違えるみたいな空間になってて、ほんとに驚いたし……。事前にオレの服や、樹里たちの服まで用意してくれたり。
皆に少しずつ聞いたことを合わせて想像するだけでも、大変だったろうなあと、思う。
……全部、オレに、知られないように。
いつも一緒に居たのに、そんな連絡いつしてくれてたんだろ。
学校に居る間、とかかな?
皆に、愛されてるね、なんてからかわれながら。
玲央の話を教えてもらった。
「優月」
オレが皆と話してる間、しばらく離れてた玲央が近付いてきてオレの名を呼ぶと、話していた美咲と智也がクスクス笑いながら、「なんか食べてくるね」と離れていった。
一番最初に玲央に、なんて言えばいいのか迷って、数秒、じっと見つめてしまうと、玲央は、ふ、と笑んだ。
「楽し?」
そう聞かれて。
「うん!」
めちゃくちゃ笑顔で頷くと、玲央がクスクス笑った。
「もう皆と話せたか?」
「うん」
「話してない人は居ない?」
「ん? あ、うん。皆、話したよ?」
部屋の皆を見回しながら、頷くと。
ふ、と玲央が笑いながら、キッチンの方に居る勇紀や甲斐たちに指でOKをしてみせてる。不思議に思いつつも、それよりも一番に言いたい言葉を、先に伝えることにした。
「玲央」
「ん?」
「……ありがとね。ほんとに、嬉しかった」
そう言うと、優しく笑んだ玲央が、オレを見つめる。
「その顔見たくて集まってもらったからな」
クスクス笑う玲央に、もうほんと、感謝しかない。
「うん。会えたの嬉しいし、皆が居るの、もちろん幸せだけど……」
「……だけど?」
少し間を置いて、考えてから。
「玲央が、オレの為に、そうしてくれたってことが嬉しい」
「――――……」
思うままにそう言うと、玲央は何秒かオレの顔を見て、それから、片手で顎と口元を押さえて、苦笑を浮かべた。
「……だから。……そういうのは、照れるって」
なんだかほんとに照れてるみたいで、ちょっと視線を逸らされる。
キュ、と胸の奥が締め付けられてるオレに、ふっと視線を戻してから、玲央がまた微笑む。
ほんとはすっごく今、玲央に抱き付いてしまいたいのだけれど。
……さすがにちょっと、それは出来ない。
◇ ◇ ◇ ◇
も少し続きます♡
今日のブログに、玲央と優月含めたSSをいくつか載せてます(*'ω'*)💗
https://fujossy.jp/notes/33367
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