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第652話◆番外編【優月・お誕生日】10 ※
【side*玲央】
誕生パーティーと限らず、パーティーなんて今まで何度もしてきたし、やろうぜなんて軽く言い出してきたけれど。準備をしたことは無かった。
誰かのためにとかこんなにも思って、自分で準備をしようなんて考えたこともなかったのだから、変われば変わるものだと、自分でも思う。周りの皆がそう言うのも、まあ、納得できる。
……優月にバレないように色んな人に連絡を取って、準備をしていくのは結構大変だったとは、思う。前のオレだったら、絶対やらない気がする。まあ、結構というか、かなり大変だった。
それでも、パーティーが始まってからずっと、本当嬉しそうな顔でいる優月を見ていて、やってよかったとしみじみ思ってた。
似合うだろうと用意した服は、思っていた以上に優月にぴったりで、普段と少し違う感じに、見ていると顔が勝手に綻んだ。
その反面。
優月が喜ぶと思って皆を集めたし、それは正解だったと思うけれど、早く二人きりになりたいと思う自分も居て、その気持ちを持て余しながら時間を過ごしていた。どんだけ二人になりたいんだと、少し自分に呆れもした。
ちょこちょこ間に、可愛いセリフをぶつけてくるから、ほんと、困った。
でも。なんとか耐えて。
――――……やっと、皆を送り出して、二人きり。
悪酔いはしていないけれど、ぼんやりしてるし、気だるげな感じの優月。めちゃくちゃ可愛い、少し酔ってるかな、という感じ。水を飲ませて、少し落ち着いたらシャワーを浴びさせて、大丈夫そうだったら触れようかなと思っていた。
が。
「オレね、一生、忘れないと思う」なんて、まっすぐな瞳でキラキラ見つめながら言われると。愛しさ、みたいなものがこみあげて、たまらなくなった。
そんなことを言ってる時の優月は純粋に可愛くて。エロいことなんかいっこもないのだけれど、オレが触れるとあっという間に様子が変わることも、もうオレは知っていて。
解いた蝶ネクタイのけだるい感じが可愛くて、でもなんだかそのまま外して脱がせたいような衝動に駆られて、優月に触れて、キスをした。
熱い舌で、応えてくる。は、と、熱い息が零れると。
もう我慢できなくなった。
◇ ◇ ◇ ◇
ベッドに運んで、背を枕に沈めさせると、もう心底ドキドキしてます、といった顔で、必死で見上げてくる。
「……優月、気分悪くなったら言えよ?」
頬に触れながら、そう言うと、優月はきょとんとして、それから、ふんわり笑った。
「大丈夫……気分、悪くないし……あと……」
「……ん?」
「オレも……玲央にくっつきたかったから」
そんなセリフに、一瞬固まる。
くっつきたかった、だって。……もう抱かれることも慣れてるのに。くっつく。か。
……優月、ほんと……可愛すぎるし。
何回目の「可愛い」だろうと思いながら、深く口づけて、思うままにキスする。
「……ん、ん……」
優月の熱い舌。絡めると、小さく声が漏れて、ぎゅ、と腕につかまるみたいに触れてくる。
あーほんと……可愛い……。
優月の舌の動きに合わせてキスしてから、吸って、甘噛みする。
「んふ、……っ……ん」
オレに触れてる手が、びく、と震える。
はぁ、と熱い息が、間で零れた。
そんな吐息くらいで、こっちは熱くなって、なんだかほんとにどうなってるんだと、マジで思う。が。
「優月……」
顎を捕らえて、逃げられないように押さえて、深く重ねる。
「……ん、ふ、………………っン……」
深いキスを繰り返す。その内、小さくプルプル首を振って、少し唇が離された。
「……ゆづき……?」
「ふ、は……っ……待、って」
くた、と力が抜けた感じの優月が、可愛くてならない。
「……待てないからついてきて」
「……ん、……ン、ぁ……っ」
快感を煽るみたいなキスをしながら、そのまま、シャツのボタンを外していく。下まで全部外しても、多分、優月は外されたことにも気づいていない。
舌を絡めとりながら、腰に触れて、そこから肌を滑らせて、胸まで。
優月の肌は、柔らかくて触り心地が良い。手に吸い付くみたいで……可愛いなといつも思う。ぷち、と小さく尖った先を指で優しくつまむと、びくん!と全身が震えて、唇が一瞬離れた。
「だめ。……キスしてて」
「んん……ん、っ……」
言いながら、その口を塞ぐ。
「舌、出して」
おずおずと見えるその舌を自分の口内に引いて、吸うと、喉の奥で甘い声が漏れて、体が震える。
片方を指で刺激したまま、キスを続けていると、んんっ、と声が漏れて、首を振られた。
「……キス……も、むり」
「無理?」
「きもち、くて……も、だめ……」
真っ赤な顔で、口元を押さえて、目をウルウルさせてる優月は。
……マジで、可愛い。
その背中に手を回して、少し持ち上げると。枕により頭を沈めさせてた優月が、え?とオレを見上げようとしたけれど。
そのまま、胸に唇を寄せて、胸に舌を這わせた。
「ひ、ゃ……っ」
足はオレの体で押さえてるから、逃げるにも限界がある。
指でこねて、爪で触れながら、反対側を舌と歯で悪戯に刺激する。
「……っや、……ん、ん……」
……可愛い。
……酔ってるせいか、最初から、ひどく、甘えるみたいな声。
胸を刺激してるだけで、優月の下が反応して、もぞ、と脚を動かして、オレに触れないようにしてるのが、もう可愛くて。
唾液で濡れて、赤くツンとした尖りを軽く噛むと、びくん、と腰を引いて。「や……」と、オレの肩に触れて捕まってくる。離れようとしないのが、また。もう……何してても、愛しいな……。
「ゆづき……」
「……っれ、お……」
体を少し優月から離して、両胸の尖りを指で弄ると、「ぁ」と短い声を上げて、オレを見上げてくる。ふる、と震えながら、涙目が揺れると。可愛すぎて、また優月に覆いかぶさって、口づけた。
「は……っぁ……」
片方は胸を弄り続けたまま、片方の手を頬に這わせた。
「……口もっと開けて」
優月の下唇に触れて、そう言うと、頑張って開けて、オレの舌を受け入れる。頬から耳に指を滑らせて、指を耳の中に挿し入れた。
「……っ……!」
キスに応えながら、びくびく、と、感じるたびに震える。
「……ん、ぁ……っ……ッ」
「きもちいいな……?」
舌を外して囁いたら、すぐに小さく声を上げて仰け反った顎を舐める。
「……や……っ」
胸も耳も顎すら、こういう時は、何をしても、敏感に反応する。
……そうなるように、ずっと優月に触れてきてる。
「……ンっ……れ……ぉ……」
またキスして、耳の中をくすぐってると。
「や、だ……やめ……待っ……っ……」
小刻みにぷるぷる震えてるのは、もう、下が、耐えられないからなのも分かってる。顔も、もう、真っ赤。
「下、触ってほしい?」
「……っ……っ…… う、ん」
きゅ、と唇を噛んでから、優月は頷いた。
頬にキスして、また唇にもキスしながら、ベルトを外して、優月のに触れる。
「はは。もうめちゃくちゃ濡れてる」
「……だ、て……れぉが……」
かあっと真っ赤になって、ふえ、と泣き出しそうな顔をする。
もう、それが可愛すぎて、ついつい意地悪なことを言ってしまうのに、優月は全然気づかない。
「まだキスして、胸に触れただけなのにな……?」
可愛すぎて、くす、と笑いながら言うと、だって、と、また恥ずかしそうにウルウルした瞳で見上げてくる。
「冗談。……気持ちよくなってくれて、嬉しいし……すげー可愛い」
ぐち、と音をわざと立てながら、優月のを扱くと、優月が両手で自分の口を塞いだ。
「……それはだめ」
手を止めて、優月を見つめる。
「や……でも……」
「声、聞きたい」
そう言いながら、口を塞いだ優月の手にキスをすると。そろそろと、その指が外れる。
「オレに抱き付いてて」
「……っ……」
ぎゅう、としがみつかれて、自然と笑みがこぼれた。
こうしていつも抱いてて――――……いつもいつも、愛しさしか、無い。
(2023/4/5)
◇ ◇ ◇ ◇
えっと……。玲央が可愛い言いすぎまして。
3000文字を超えたので、さすがに長いので
ここで終わらず、続きます。
次こそ完結しますので(*´∀`*)
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