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第653話◆番外編【優月・お誕生日】11 完結※

 玲央は、たまにちょっとだけ意地悪になるような気がする。焦らしたり。そういう感じ。  でもそういう時、可愛くてたまんないって顔でオレを見るから。  ……全部ひっくるめて、玲央のことが大好きって思ってしまう。  玲央に触れられると、全部が、おかしい位気持ちよくて。  どうしてこんなに、と思う位、体が震えるし、顔どころか全身熱くなって。涙が勝手にあふれてくるし、声も止められないし。翻弄されっぱなしで大変なんだけど。 「優月、つかまれるか?」  散々気持ちよくさせられて、中を慣らされて。  もう下半身、ドロドロに溶けてる感じがするのに。  これから、一番強烈な感覚が、オレに、入ってくるのも分かってる。 「は……ん、ん……」  上がった息を抑えながら、玲央の首に腕を回す。   なんだかうまく、力が入らない。  背中に玲央の手が回って、引き寄せられて、腰を浮かせた状態で玲央の上に座らされる感じになる。 「……ン、ぁ……」  はぁ、と息を付いて、玲央の肩に、きゅっとつかまる。  腰をゆっくり下ろして、たくさん慣らされた中に、玲央を少しずつ受け入れた。 「……んん、……っゃ……ッ……」  ゾクゾクしたものが一気に駆け上がって、仰け反りそうになったけど、背中を支えられた。体は止まったけれど、手が添えられて引きとめられると同時に、玲央が中まで挿入ってきた。 「っゃ、あ、んっ……!!」  浮かせていた腰を引き下ろされて、下から突き上げられて、ぶわっと体温が上がった。この体勢だと、一気に奥まで来ちゃうのかと思ったけど、多分途中で止めてくれたんだと思う。 「……っん、ん……あっ……」 「優月……キツイ?」  いつもいつも、めちゃくちゃ慣らしてくれるのに、挿入ってきた最初は、いつも少し待ってくれる。  小さく首を横に振って玲央にぎゅっと抱きつくと、そのまま倒される。玲央がオレに覆いかぶさりながら、一気に奥まで突き上げてきた。 「……ひゃ、あ……ん……っ!」    涙が溢れて、湧き上がってきた快感に、あっという間にイッちゃって。   しがみついて、息をひそめていたけれど、玲央に少し離されて、顔に触れられた。 「……優月ン中、気持ちいい」 「……っ」  すごく恥ずかしいけど、嬉しくて、キスされて絡んでくる舌に頑張って応えていると。玲央がふと唇を離して、オレの腹に出てしまったものに指で触れた。そのまま、ビクビク震えるお腹にこすりつけられる。 「入れただけでイくの……ほんと可愛い」    見上げた玲央も、興奮した顔をしていて。  いつも通り、伝う汗も。オレが中を締めると、ちょっと眉を寄せる様も。めちゃくちゃ、色っぽくて。それに、ゾクゾクしてしまう。 「……れ、お……好き」 「――――……ん」  噛みつくみたいなキスをされて、舌がめちゃくちゃ絡んでくる。  唾液を飲み込んで、んっ、と喘ぐと、脚を開かれて、中を抉られるみたいに突き上げられる。 「あっ……ぁ……っん……ッ!」  もう慣れた、と判断したのだと思う。  今度は躊躇なく突かれて、中を刺激される。 「……ふ……ッ ンん…… ッ……」  口づけられて、舌を絡めとられる。吸われて、噛まれて、擦られる。  舌の付け根が引きつって、ンん、とくぐもった声が漏れると、今度は玲央の舌が、オレの口内に入ってきて、上顎を舐められる。 「んん……ん……ッ……ん、ぁあっ」  舌に気を取られてると、限界まで抜かれたそれが、中を擦って、奥まで入ってきて揺すられて、ただ快感に支配される。  しがみついていた腕は解けて、シーツを辿る。 「優月……」  名を呼んだ玲央が、腰をまわすように奥を刺激してきて。  何度めか、気持ちよくなりすぎて、仰け反ったら、首筋に噛みつかれた。 「……れお……っいっ、ちゃ……から、待っ……」 「いいよ」 「……っ……っ……んん、ぁ……ッ!」  ……玲央とシてる時。  たくさん触れられて、舐められて。何回も、真っ白にさせられて。  気持ちよすぎていっぱい泣いちゃうけど。  ……なんか。いつも。  めいっぱい、大好きって言われてるみたいな感じで抱かれてて。  幸せすぎて死にそうって、思う。 「は――――……気持ちイイ、な? ゆづき」 「……っ……ん、んっ……」  また、深く深く、キスされる。 「……れ、お……」  玲央のことも。こうして繋がるのも。全部。 「……だいすき……」  言ったら、涙が滲んで。少しだけキスが離れて見つめられる。  目が合うと、なんだか余計に涙が溢れそうになって。すると、玲央はオレの涙を指で掬った。 「……オレも」 「――――……」 「優月が可愛くてたまんない」 「……っ……」 「……泣くなよ」  クスクス笑った玲央に、また涙を拭われて、頬にキスされる。 「――――……すっげー、好き」 「…………っ」  きゅう、と胸の奥が痛い。  ……でもそれは、幸せな、痛みで。 「……オレ……」 「ん?」  すり、と頬を撫でてから、玲央がオレの脚をぐい、と開かせた。 「……っ……」 「なに? 優月……」 「ん、ん」  中を緩く突きながら、唇を合わせてくる。 「オレ……の」 「ん?」 「……オレの、ほうが……玲央、好き」 「――――……」  ぴた、と動きを止めた玲央は、ふ、と吹き出して。  それから、ぺろっと唇をなめてきて、また深く、キスされる。 「……ンん、……っ……ふ……」 「――――……オレも、相当だと思うけどな……」  合わせた唇の間で、笑いを含ませながら、玲央がそんな風に言う。 「……っ」  きゅう、と、なんだかときめきすぎて。  それは玲央を受け入れてるとこに直結したみたいで。  ぎゅ、と締め付けてしまうと、ただでさえ気持ちいいのに、余計にその刺激を感じて、もう、ゾクゾクが止まらない。  ぶる、と震えて、玲央の首にもう一度、頑張ってしがみついた。 「……だ、いすき……っん……」  めちゃくちゃキスされる中、何とか呟いてそれが伝わると、玲央はまた、激しく動き始めて。オレはもう、ただ玲央にしがみつくので精一杯。 「ゆづき……」 「……んぅ……ンっ……!」  なんかもう激しくて。  目の奥、真っ白になって。なんかほんとうに、チカチカする。 「……ん……っ……ンぁ……!!」  限界まで張り詰めた全部が弾けるみたいな感覚。玲央の動きも止まる。  息をつめて、キツイ感覚が過ぎるのを、待つ。  少しして、ひゅ、と息を吸い込んで。  震える息を吐くと。また玲央にキスされて。荒い息のまま、キスが続いて。  オレは、そのまま。  何も分からなくなった。 ◇ ◇ ◇ ◇  シャ、と何かの音が聞こえて、ふ、と目を覚ました。  瞳だけ開けて、その先に、玲央の後ろ姿が見えた。 「……れお……?」  だるくて寝転がったまま、名前を呼んだら、玲央が窓のところから、ん? と振り返った。 「平気か?」 「……ん……」  もぞ、と動いて起き上がると。  カーテンを開けたまま、玲央がベッドに戻ってきて、サイドテーブルから取った水をオレに渡してくれる。 「ありがと」  フタを開けて、水を飲み込む。  ふと、体が綺麗になってるのに気づいて。玲央を見上げた。 「ありがと……」 「ん」  クスクス笑いながら、玲央がベッドに乗ってくる。 「少し起きてられる?」 「うん」 「じゃおいで」 「?」  ペットボトルを脇に置くと、玲央がオレを引いて自分の脚の間に座らせた。オレは、玲央に完全に寄りかかってる感じ。玲央は上半身裸だし、オレは、完全に裸だし。素肌が密着した状態で、後ろから抱き締められて、布団で包まれた。 「見てみな、空」 「……わ」  ちょうど座ったところから見上げると、目の前の窓の向こうに、大きな月が映る。 「なんか外が眩しいからカーテン開けたら、月でさ」 「なんか大きく見えるね……」 「綺麗だから優月に見せたいなーと思ってたから、目ぇ覚めてよかった。カーテン開ける音で起きた?」 「……そう、かも?」  シャッて聞こえたのがそれかな。  思いながら、オレは背後の玲央を見上げた。 「起こしてくれていいよ……?」 「ん?」  クスッと笑う玲央と視線が絡む。 「玲央が、オレに見せたいって思ってくれるもの、見たいから。起こしていいよ?」  そう言うと、瞳が優しく緩んで、ちゅ、とキスされる。 「分かった」  そう言った玲央にむぎゅ、と抱き締められる。  しばらく、月を見上げて、ぼーー、と過ごす。  綺麗で。  静かで。  玲央が暖かくて。  ……大好き、って想ってたら。 「……ゆづき」  なんだかとってもゆっくり、静かに呼ばれた。 「……ん?」  振り返って玲央を見上げると。 「……ずっと、居ような」 「――――……」  ただ、じっと、玲央を見つめたまま。  じわ、と涙がにじむ。 「……ぅん」  頷くと、涙声に気づいた玲央が少し笑って、額にキスしてくれた。 「百歳まで祝ってやるから」  クスクス笑いながら言う玲央。 「長生きしないと……」  笑いながら返してから。 「百歳こえたらお祝いしてくれないの?」  思ったことを聞いてみると、玲央は可笑しそうに笑って。 「何歳まで生きるつもり?」 「……ギネスは何歳?」 「さあ……?」 「わかんないね」  二人でクスクス笑い合って。 「生きてる限り祝うよ。優月はじーちゃんになっても可愛いだろうし」  玲央がオレを見つめて、笑いながら言う。  オレも笑いながら「オレも祝うね。玲央は絶対カッコいいおじいちゃんだと思う」と返した。  言い合ってから、黙って、何秒か見つめ合って。  同じタイミングで、あは、と笑い出した。  なにいってんだろね、と二人で笑い合って。  それから、どちらからともなく近づいて。  笑んだまま、唇を重ねた。   - Fin - (203/4/9) ◆あとがき◆読みたい方は↓お進みください💕 優月のお誕生日3月3日。 何か短いssでも書こうかなと思ってはいたんですが。 頂いたお誕生日プレゼントの可愛い優月を見ながら書いている内にこのお話はこんなに長くなりました(*´艸`*) 書いてる私が一番楽しかった…♡ お付き合いくださって、ありがとうございました。(フジョさんでは画像がここに貼れないので、ブログの方に後日載せます) 本当は本編で書きたかったので、いつか、少し変えて……もしかしたら、登場人物を増やしたり、エピソードを直したりして、本編に組み込むかも……? でも本編で三月になるのは当分先な気がするので、とりあえずはしばらくはこのまま、番外編として置いておきます(*'ω'*) それまでは、ちょっとしたパラレルワールド的なものとして、本編とは関係ないものとして、お楽しみいただけたらと思います。 長くなってしまいましたが。 楽しんでいただけてましたら&感想など聞かせて頂けたら喜びます…(*´艸`*) もしもしよかったら、なんですけど。 玲央&優月をお好きでしたら、どこが好きなのか聞かせて頂けたら。今後書いてく参考にというか。頭の端っこに置いておこうかなぁと思います。感想欄でも、匿名で感想が送れるマシュマロ(Twitterのプロフ欄のpotofuにあります)からでも♡ ではでは。番外編、終わります。 次回から、本編に戻ります。 by悠里

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