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第722話◇

 玲央と、二人掛けのテーブルに向かい合わせで座って、メロンタイム。 「おいし」  あまーい。  ふ、と笑顔になってしまう。おいしすぎる。パクパク食べていると、玲央がクスクス笑う。 「優月のこと嫌いな奴がいるなら話してみたいかな」 「へ?」 「さっき、話さない奴居るって言ったろ」 「うん」 「でも優月のこと嫌いな奴は、居ないんだろうと思ってるんだけど、オレ」 「そんなことないんじゃないかなあ……オレ、どんくさく見えるみたいだし」  言いながら、ついつい笑ってしまう。 「美咲にもね、昔は、とろいんだからーみたいに色々言われた。イライラする人はいるかもしんないよ?」 「でも、その子も、今は優月が可愛いだろ」 「可愛いかどうかは分かんないけど」  あは、と笑ってしまいながら。 「オレが好きな人達に、好きでいてもらえたら幸せだなあ……とは思うけど」  そこまで言って、うーん、と考える。 「玲央は、オレのこと、好きですか?」  玲央をまっすぐ見つめて、そう聞くと。 「――――大好きですよ?」  と、応えてくれる。  しかも、とびきりの笑顔付きで。  こういう時の玲央の笑い方は、優しくて、細められた瞳が、めちゃくちゃキレイ。なので。 「……もうそれで幸せなんだけど」  ふふ、と、笑ってしまうと、そっと頬に手が触れて。  がた、と玲央が立ち上がって、触れる直前まで見つめられたまま、唇が重なってきた。  顎を、少しだけくい、と上げさせられて、薄く開いた唇に舌が入ってくる。 「……ん」  優しくて、柔らかくて。  メロンの甘い、匂いの、キス。 「……ふふ」  幸せすぎて、喉の奥で、笑ってしまったら、玲央の顔が、また傾いて、少しキスが深くなる。顎に触れてた手が首筋を通って、うなじに回って、ぐい、と引き寄せられた。 「……っん…… ぅ……ン……?」  上顎を舌でなぞられて、ぞく、として声を上げると、また舌を絡めとられる。  長い、ゆっくりとした、キス。なのに、息が、どんどん熱くなる。 「……れ お……」  ちゅ、と舌を吸われて、噛まれて、ぎゅ、と目を閉じたら、玲央が、ふ、と笑った気配。 「……かわいぃなあ、もう……」  濡れたみたいな、優しい、声。すり、と頬を撫でられて、ふる、と震えてしまう。ちゅ、と頬にキスされるだけで、なんだか、もう、気持ちイイ。 「すぐこうなっちゃうな、優月……」 「ひゃ……」  首筋に指が這って、びく、と体が揺れる。  ぎゅ、と手を握り締めてしまうけど。肌にそっと触れる手に、ゾクゾクが、止まらなくて。 「……ん、……」  涙がぼろ、と溢れると、玲央は、クスクス笑って、その涙を舐める。 「……アルバム、さ。すごく見たいんだけどさ」 「……?」 「持って帰って明日見よ?」 「…………」 「もう、ベッド、行こ?」  なんかもう――――……こんなの、断れるわけもなくて。  きゅ、と唇を噛んで。玲央を見上げて。   ……ん、と頷いてしまった。  

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