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第726話◇※※

※※ 「……はっ……ぁ……れお……」  力が入らない手で、玲央の腕に縋る。 「中締めると、気持ちいいだろ?」 「……んっ……ん、きも、ちい、けど……」 「ん?」 「……こ、わい……れお……」 「――――……ん?」  じわ、と涙が浮かんできて、不意にしゃくりあげてしまった。 「優月……?」 「……っきもち、よすぎて……こわい……」  ひっく、と震える声をどうにか抑えようとしていると、玲央がオレの頬に触れて、涙をぬぐった。 「……怖くないよ。気持ちよくなってて、いいよ」 「でも……はずかし……」 「オレしか、見てないから」  言いながら、また緩く、突き上げられる。  ……オレしかって。  玲央が見てるから、一番恥ずかしいような気がするのに。 「ん、ん、れぉ、……あ、……っ……」 「ん?」 「……も、いっ、ちゃ…………」 「ん。 いいよ?」  ふ、と笑む玲央はすごく優しいのだけど、でも、全然止めてくれない。 「優月……可愛い」  言いながら、首筋に、顔を埋めて、奥のほう、ぐり、と刺激してくる。  ぞくん、とした快感に支配されて、目の奥が白くなる。 「……っん…………っ」  ぎゅう、と抱きついて、ひたすら気持ちいいのを追う。 「――――……っれお……」 「……ん?」 「あ……も、……好き……れお……」 「……ん。しってる」  笑んだ唇が重なってくる。    その後も、何度も何度もイっちゃうし、玲央は離してくれないし。  優しくて、どっちかというと今日はあんまり激しくなくて、緩く緩く攻められる感じで。気持ちイイのが長くずっと続く感じで。 「……んっ、あ、もう……むり」  そう言って、玲央にしがみついたら。 「――――……オレね、優月」 「……っ??」 「……こうやってずっと、シてたいくらい、お前が可愛いと思ってンの」  と、言いながら、ぺろ、と頬を舐める。 「……う、ん……?」 「……今、めちゃくちゃ色気ありまくりなんだけど、優月」 「いろ、け……??」 「わかる?」  なんか、さっき、そんなこと、話したような気もするけど。  なんだっけ……気持ちよすぎて、もう頭、ぼやけてる。涙で視界もぼやけてるけど。  玲央を見上げると、玲央は、ふ、とオレを見つめて。 「……優月を可愛いって思う奴、絶対他にも居ると思うから」 「……?」 「ちゃんと気を付けて」 「……ん」 「いい?」  オレは、うんうん、と頷きながら。  ……それが言いたくて、こんな感じだったのかな??とちょっと思いながらも。 「……可愛いな、ほんと」  抱きあげられて、繋がったまま玲央の上に座らされると、もう、考えてることはすべて吹き飛んだ。 「……ん、ン……あ」 「ん?」 「……待って……これ……ふか、いから、ちょ……」  腰、上げようとしたけれど、そのまま、下から突き上げられて。  快感についていけなくて仰け反る背を、玲央が抱き締めて支える。 「ね、れお……」 「ん?」 「……ここ……そんなに……壁、あつくない……」 「……うん?」 「……うー……キス……してて。声……でちゃう……」 「――――……」  もうなんか最終手段みたいな感じでお願いしたら、なんだか、玲央が中で反応、したような……でもなんかちゃんと分かる前に、めちゃくちゃキスされて、もう頭、変になる位、気持ちよくて。 「……っんん」  そこからやっと、激しくなって。  終わりまで。もう、乱されまくってしまった。 ◇ ◇ ◇ ◇  ……なんだか、とっても、ぐったり。  玲央が持ってきてくれた水を飲んで、そのまままたベッドに横向きにころんと転がった。 「平気? ……じゃねえか」  玲央がオレの答えを待たずにそう言って、隣に座るとクスクス笑いながら、オレの頭を撫でてくる。 「……なんか……ずーっと」 「ん?」 「……きもちよくて、こわかった」 「んー。そういうこと言われると、またその気になりそう」 「えっ。……今のなしで、お願いします……」  そう言いながら、玲央を見上げると、玲央は口元に手を当てながら、可笑しくてしょうがないという感じで目を細めて笑う。 「可愛い。優月」  よしよし、と頭を撫でられて、頬にすり、と触れられる。 「優月はさ。オレにめいっぱい抱かれてるから、多分、そういう魅力、出ると思うんだよ。ふとした時に、めちゃくちゃ可愛くなったり」 「…………」 「――――……納得いかないって顔してるけど」  クスクス笑って、玲央はオレを見つめる。 「でも覚えといて。オレは優月が可愛いし、抱きたいし。他にもそう思う奴が居たら、困るから。前よりも気を付けて」 「――――……」  んー……全然、意味が分からない……。オレにその気になる人が、そんなにいるとは思えないし。うーん、とは思うのだけれど。  そんなに、心配って思うくらい。  玲央は、オレのこと、可愛いって思ってくれてるのかな。と。  冗談で言ってる風には見えないし、そう思うと、何だかとっても嬉しくなってしまったので、オレは、うん、と頷いた。  そしたら、玲央は、おっけ、と言ってクスクス笑って、頬にキス、してくれた。

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