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幕・3 悪魔の残酷は甘く

咄嗟に備え付けのティッシュで受け止め、次第に脱力するリヒトの身体をヒューゴの身体にもたれかからせた。 「よしよし、子種も元気いっぱいだ。毎日こうして出してんのに、すげえ濃いよな?」 とたん、意に沿わず犯された女のように、呆然とした表情をしていたリヒトの頬が、羞恥に染まった。 ヒューゴは敏感になったリヒトのソコを、きちんと拭うことはせず、ある程度濡れたままにして、 「…仕、方ない、だろう…」 言い訳でもするように言ったリヒトの頬に宥めるように頬を寄せて、 「気持ちいいもん、な?」 「わ、こ、こら」 じゃれつくように頬を押し付けながら、勃起したままの性器に手を伸ばす。 掌で、亀頭を包み込むようにすれば、リヒトの肩がビクついた。 「あ」 リヒトが唇を戦慄かせるのに、 「トイレでは、ち〇ぽフルコース、だったろ?」 ヒューゴは面白がるように告げる。直後。 亀頭をこねくるように掌を動かす。 「は、あああああぁ、ん…っ!」 先端の穴を強く刺激するように撫で回せば、たまらず、女の子のような声で、リヒトは身もだえた。 掌で先端を圧し潰すように刺激しながら、もう一方の手は、カリを刺激。 ぐちゅぐちゅと粘着質な音があがる。 「そこ、そこぉ…っ」 泣き出しそうな声を放ちながら、リヒトは全身をビクビクと震わせた。 「だめ…、だめ、あ、ンッ!」 射精後で敏感になった亀頭を強く責め立てられるのは、たまらなかったろう。 そう待つことなく、リヒトは、また放った。精液ではない。透明な体液だ。 リヒトの先端から勢いよく放たれたのは、潮。 びくん、びくん、リヒトの性器がヒューゴの手の内で跳ねる。彼に弄ばれるのを悦ぶように。 思わずヒューゴは目を細めた。 「たまんねえなぁ…おい、ちょっと」 ヒューゴの手が、いささか乱暴に、リヒトの尻肉を片方掴んだ。 「ぁっ」 尻を掴まれる感覚に、リヒトはそれだけで達しそうになる。 小さな頃からヒューゴが育ててきた身体だ。 いずれこうなることは分かっていたから、特に尻は重点的に可愛がった。 常日頃から撫でて揉みしだき、転がした。 犯罪者とか変質者とか言われても仕方がない。 ただ、挿入したのは、成人した18の時だ。 結果。 小振りだが、程よい弾力と柔らかさ、そして極度に感じやすい尻に育ち、少し撫でるだけでリヒトは腰砕けになるときがある。 それを押し広げるようにされるなり、 「…ぁっ? ヒューゴ…!」 最奥でヒクつく穴に、切っ先をあてがわれた感覚に、リヒトは慌てた声を上げる。 「昼は挿入れない、と、言ったろう…っ」 その表情と声には、紛れもない恐怖が滲んでいた。 リヒトの態度は、むしろヒューゴを底抜けに煽る。 「何言ってんだ?」 立ったまま、ヒューゴは先端で、リヒトの穴にキスをした。 「あ、ん!」 たちまち、リヒトの身体に、この日一番の戦慄きが走る。 瞬く間に、リヒトの脳裏から、ヒューゴを止める言葉が消えた。 ちゅく、微かに濡れた音があがる。 また、ヒューゴの先端が、リヒトの窄まりにキスをしたのだ。 「悪魔の約束を信じるなよ、なぁ?」 「あ、あ…っ」 待ちかねたように、リヒトの腰がくねる。 そのくせ、妙に逃げ腰だ。 「毎晩突っ込んでんのに、毎日処女みてぇだな、と」 昨夜も散々、可愛がったのだ。 解す必要はなかった。 少し押し込めば、 「ひ、ぁあん!!」 すんなり、リヒトのそこはヒューゴを飲み込んだ。 待ちかねたように。むしろ、粘膜は悦び、歓迎するように収縮、奥へ奥へ、招き入れる。 「く…っ、いつも吸い込まれる感じ、だな…はは、サイコー」 ごくごくと、リヒトのそこは、ヒューゴの陰茎を飲み込み、粘膜が、コレが一番美味しいと言わんばかりに、咀嚼しはじめた。 奥へごつん、と届くのは、瞬く間だ。そして、刹那。 「あ、ぁ―――――っ!」 リヒトの全身が、がくがくと震えた。前は放っていない。ただ、先走りの量がまた増えた。 中への刺激で、絶頂したのだ。 リヒトの表情が、これまでで一番、蕩ける。もう、抵抗の一つもできないと言った様子。 そのくせ、恐ろしくかわいらしい表情だ。 リヒトが蕩け切った、これが合図だった。 「簡単にトぶなよ、まだ、ついてこれるだろ?」 ヒューゴを吸い込もうとする中の動きに逆らって、彼はイチモツを大きく引き抜く。 「ひんっ」 衝撃に、リヒトが仰け反り切るのを待たず、 「あ、ん!」 また、奥を突いた。 潤んだ目をかすませ、たまらなくかわいい顔で、リヒトが誘うように身をくねらせる。 最中に見せるリヒトの、この淫靡な踊りは、奥を突かれるときが最高に扇情的だ。 理性など完全に飛んでいるが、このうえなくうつくしい。 しかも。 こうなるとリヒトは、イきっぱなしだ。 ずっと絶頂が続き、降りて来られない。 だから、リヒトはヒューゴの挿入を怖がるのだ。 だが、ヒューゴはそんなの、知ったことではない。 「なあ、皇帝陛下?」 半ば以上我を失っているリヒトの耳元で、ヒューゴは囁く。 「ち〇こはともかく、お前のま〇こは上も下も、この奴隷、ヒューゴ専用、だろ?」 ヒューゴは悪魔だ、などと、真実を世間に告げられるわけもないため、彼の身分は、公には奴隷である。 公に、どころか。 (実情も奴隷だ) ヒューゴのさめた内心を知ってか知らずか、リヒトは、子供のように必死な態度で、こくこくと何度も頷いた。

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