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第14話
ハルが眠っている間、暇を持て余し、ハルの部屋を見渡した。
1kほどの俺と同じ造りの部屋ながら、ハルが起きないよう淡い水色の絨毯を歩き見て回ると、キッチンにはオーブンもある。
端にある本棚には、レシピ本や風景や猫の写真集、小説も沢山並んでいて、俺の殺風景な部屋とはまるで違う。
壁には猫のカレンダーや花の絵画がある。
そこら辺の女より女らしいような部屋に感じた。
ハルが目を覚ますと、すぐに額に手を置いた。
「かなり、熱、引いたみたいだな」
「先輩のお陰です」
優しい笑みを浮かべるハルにポカリのペットボトルを手渡す。
念の為、風邪薬も渡し、ポカリで流し込んでいた。
「汗、かいただろ?着替えた方がいいな。タオルと寝巻きは?」
一瞬、ハルは固まり、白いタンスを指差した。
タオルと寝巻きを探し、ハルの元へ戻る。
「ほら、ハル。脱げよ」
またハルは目を丸くし、硬直している。
「そんな怯えなくても、体拭くだけだから」
「じ、自分で拭くので」
「背中は届かないだろ。ほら、体冷やすとまた熱出すぞ」
しばらくの間を置いて、ハルは俺に背を向け、パジャマを脱ぎ始めた。
不思議すぎる。
一度、一戦交え、あんなに積極的だったのに恥じらいながらハルがパジャマを脱ぐ姿を見つめた。
細く白い背中が露わになり、タオルで丁寧に拭いたが、
「ま、前は自分でだ、大丈夫ですから。タオル...貸してください」
俺に背を向けたままのハルにタオルを手渡した。
体の前面を俺に背を向け、拭くハルをあの日、体を交えたハルとのギャップに驚いたが、ハルには言わなかった。
体を拭くとすぐにハルは俺に見えないよう、背中を向けたまま、パジャマの前を合わせていた。
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