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あの夜の出来事③
「じゃあ、星斗はどうしたいの?」
「あれして」
「あれ?」
「綺麗な瞳」
「分かった。その代り、それをしたら、助手席に戻る。いいね?」
眞門はそう言うと、瞳の色をサーモンピンクに染めて、癒しのGlare を放出してやる。
「あーん、大好き・・・」
星斗はそう言うと、眞門にまた口づけを始めた。
「・・・コラ、約束と違うじゃないかっ! いい加減にしなさいっ!」と、眞門は星斗に強引に引き離す。
「怒っちゃヤダ・・・」
「星斗、本当にお仕置きするよ」
「お仕置きする知未さん嫌い・・・」
そう言われた瞬間、我慢の限界を迎えた眞門の中で何かがキレた。
左手を星斗の背に回すと、両膝を立たせるように引っ張り上げた。
空いている右手で星斗のハーフパンツを器用に下ろすと、星斗の尻を丸出しにする。
そして、右手で一発、星斗の生尻を叩いた。
「・・・あーーーんっ!」
「Domを怒らせた罰だよ、星斗クン。言うことを聞かない子はお仕置きだ」
更にもう一発、叩く。
「・・・あんっ!」
「どう? 反省した?」
「・・・どうしよう」
「ン?」
「大きくなっちゃった・・・」
眞門は確認する。
星斗の股間のシンボルが大きく勃ち上がっている。
「・・・ひょっとして、星斗はお仕置きされるのが好きなのかい?」
眞門は逆効果だったかと後悔した。
「分かんない・・・でも、知未さんになら、どんなことでもされたい・・・」
そう言うと、星斗は自ら眞門の右手を手に取って、自分の口の中に眞門の親指を咥え込んだ。
「何・・・してるの?」
と、唖然とする眞門。
「して。もっと・・・いっぱいしよう」
と、眞門の親指を甘えるように咥えながら、甘い声で誘う星斗。
「!」
「俺をめちゃくちゃにして蕩けさせて・・・知未さん・・・」
「!!」
それは星斗の体の底から湧き上がってくる切望だった。
しかし、なぜ、そんな気持ちに襲われるのか詳しくは分からない。
とにかく、眞門が欲しくて欲しくてたまらないのだ。
星斗のその一言で、Domの欲望を必死で抑え込んでいた眞門のDomの蓋がついに外された。
眞門は運転席の扉をすぐさま開けると、星斗を抱えたまま、一旦外に出て、窓に黒いフィルムが貼り付けてある後部座席に星斗を放り込んだ。
そして、素早く反対側の、助手席側の後部座席側に移動すると、そのドアを開けた。
こちらの後ろには塀があって、周りからは誰の目にも触れることがない。
眞門はそのまま外に居て、死角になる様にしゃがみ込むと、通行中の車の視界から己の姿も消した。
眞門は星斗に視線を合わせると、冷ややかに見つめた。
「星斗、Strip 」
「!」
星斗にDomとSubのコミニュケーションとして使われるCommand の指令が出された。
その号令にあがらう事の出来ない星斗は自ら最後のハーフパンツを脱ぎ、全裸になってみせた。
「good boy 。
じゃあ、そのままPresent 」
「!」
星斗は眞門とは反対側のドアに背をもたれかかると、眞門に向かって、両足を抱え込む体勢を取って自分の恥部を全て眞門に晒した。
「どう? 今日会ったばかりの見ず知らずのDomに全部晒すなんて屈辱的だろう? 自分が今なにをしようとしているのかこれで分かったかい?」
「・・・見て・・・」
「・・・へ?」
「いっぱい見て・・・知未さんにはいっぱい見て欲しい」
「・・・・・」
「俺の恥ずかしいところをいっぱい見て。それで、俺のことを俺みたいに欲しがって・・・」
「・・・・・」
「知未さんも俺のことをいっぱい欲しがって・・・」
「!」
眞門は思わず舌打ちをした。
もう、己の興奮が抑えきれなくなったのだ。
これは間違いない、Sub space だ。
自分はワンナイトの相手ばかりしているので、Sub space の経験を一度もしたことがない。
だから、そうだと言い切れる自信は持てないが、でも、これがSub space だとDomの本能が教えてくる。
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