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こちょこちょゲーム
「星斗。Roll 」
眞門が星斗に向かって、Commandを発動した。
「!」
星斗は着衣のままで、ソファに仰向けで寝転がる。
「Present 」
「!」
星斗はそのまま両足を抱える様に持ち上げた。
服を着たままでも、この体勢は恥ずかしい。
星斗は赤面した。
「・・・それで、なにをするつもりなんですか?」
と、まだ全容を聞かされていない星斗は問いかけた。
「星斗クンの急所を教えてもらいたくてね」
と、眞門はほくそ笑む。
「急所・・・?」
「やっぱり、急所はここか!」
眞門は子供のようにそう声を上げると、星斗の靴下を両足とも脱がす。
「行くぞっ、こちょこちょゲーム!」
「こちょこちょゲーム・・・???」
「星斗。我慢出来たらご褒美。降参したらお仕置きだから」
「えっ・・・」
眞門はどこから取り出したのか、メイクブラシを手に持った。
「こちょこちょこちょこちょ・・・」
と、口にしながら、眞門は星斗の足の裏をメイクブラシでくすぐりだす。
「ギャアーーーーっ、止めてーーーーっ、止めて―ーーっっっ、アハハハハハハハっっっっーーーー!!」
と、星斗は悲鳴に近い笑い声をあげた。
「止めて! 止めて! ホント、ふざけるのは止めてください!」と、星斗は眞門のくすぐりにジタバタして訴える。
「星斗、Stay! 」と、ここで鬼のCommandを発動させる眞門。
「そんな・・・っ!」の切ない声と共に星斗のジタバタがピタッと止まる。
眞門は冷徹な笑みを浮かべると、「こちょこちょこちょこちょ・・・」と、また子供のように星斗の足の裏をメイクブラシでくすぐり出した。
「アッハーーーンっ、・・・ダメ、ダメ、ダメ・・・くすぐったいっ、くすぐったい・・・っっっ!」
「こちょこちょこちょこちょ・・・」
「死ぬっ、死ぬっ、死ぬっっっ!」
「こちょこちょこちょこちょ・・・」
「ムリーーーーっ、ムリーーーっ! 降参しますっ! こうーっさんっーー!!」
「いいの? 降参したらお仕置きが待ってるよ」
と、口にした眞門はメイクブラシを置くと、星斗の股の中に体を進め、今度は星斗の両脇辺りを己の両手でくすぐり始めた。
「こちょこちょこちょこちょ・・・・」
「ギャアーーーっ、ムリーーーーっ、ムリーーーっ!」
と、笑いながら悲鳴を上げる星斗。
「・・・早くっ、早くっ・・・!」
「・・・何を?」
と、ひとりだけ楽しそうな眞門。
「解除・・・早く解除して・・・っ!」
「いいの? お仕置きだよ。こちょこちょこちょこちょ・・・」
「ダアーーーっ、はいっ、もういいですっ、受けますっ! 受けますからっ、早く、このCommandを解除してくださいっ!!」
StayのCommand発動で強制的に体の動きを停止させられてる星斗はくすぐられる限界を迎え、必死の形相で請うた。
「星斗。Come 」
「!」
眞門がそう発令すると、星斗は眞門におもっいきり抱き着いた。
「ハアー、ハアー、ハアー」と、呼吸がまともに出来ない程追い詰められてたのか、息遣いが荒いままで眞門の胸に抱かれる星斗。
「よしよし。良い子。良い子。good boy 」
と、星斗の頭を優しく撫でてやる眞門。
星斗は息が整うと、「酷いですよ、なんなんですかっ! Commandを使って、くすぐるなんてっ。子供ですかっ! 子供遊びのPlayですか!!」と、クレームをつけた。
「だって、楽しいもん。くすぐるの」
眞門は子供のような笑顔で星斗を見つめた。
「俺、ホント好き」
「・・・・・」
星斗はまた、息が詰まりそうになった。
ダメだ。
こんな嬉しそうな顔して、そんな言葉を言われたら、何も言えない。
「それで、星斗はどんなお仕置きをされたい?」
「へ?」
「Subだから、お仕置きされるのは嫌いじゃないと思うんだけど・・・」
「・・・・・」
「あの夜のお仕置きも、嫌がった素振りはみせなかったよね?」
「・・・・・」
星斗は恥ずかしくなって、思わず目を背けた。
その通りだ。
多分、俺はお仕置きがされるのが嫌いじゃないと思う。
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