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Subの本能・・・?②

「これからは口答えしないね?」と、星斗の尻を叩く。 「はい・・・」 「ルールに文句は言わないね?」と、星斗の尻を叩く。 「はい・・・」 「じゃあ、どうするの?」 「どうする・・・?」 答えが分からない。 星斗は振り向いて、眞門を見つめた。 「分からないの?」 眞門はどこか嬉しそうだった。 どうしてそんな嬉しそうなのか? 不思議に思いながらも、星斗は「・・・分かりません」という意味を込めて頷いた。 眞門は星斗の耳元にそっと近づいた。 「分かるまで尻を叩いてください、だろ?」 「!」 そう囁かれた瞬間、星斗の体に電撃が走った。 それは、抑えようにも抑えられない衝動を引き起こされたように感じた。 どう説明して良いか分からないが、自分が追い求めていたモノはこれだった。 これをずっと求めていた。 Subの本能がずっと探し続けていたものはこれだった。 そんな感覚だった。 星斗に迷いはなかった。 「分かるようになるまで・・・俺にお仕置きしてください・・・」 星斗は縋る様に眞門にお願いした。 「いい子だ、good boy(お利口だ)」 眞門は待ってましたと言わんばかりに、星斗の下着を脱がし、尻を丸出しにした。 「あっ!」 星斗は思わず声を上げた。 嬉しいような恥ずかしいような、でも、それをずっと期待してたような・・・。 パンっ! 眞門は何も言わず、星斗の尻を平手打ちした。 ・・・パンっ! ・・・パンっ! ・・・パンっ! その度に、星斗は「・・・あんっ、・・・あんっ」と、悶えなのか喘ぎなのか悦びなのか、よく分からない小さな声を出した。 「ごめんなさい・・・、許して・・・っ」 「ダメだ」 「ごめんなさいっ・・・ごめんなさいっ・・・許して、眞門さん・・・っ」 「ダメだよ、そんなんじゃ・・・全然分かってないじゃないか」 そう言って、眞門は星斗の尻をまた何度も叩く。 その度に、星斗もまた体をくねらせる。 「・・・あんっ・・・あんっ、・・・知未さん・・・っ、許して・・・っ、これからはいい子にするから・・・知未さんの言う通りの良い子になるから・・・許してっ!」 星斗は甘える様に口にした。 自分でもどうしてこんなことを口走ったのか? 全く理解ができない。 Subの本能がそう言わせたのか、気づけば、勝手に口からそう飛び出していた。 ピタリと眞門の手が止まった。 「星斗、Come(おいで)」 眞門が優しく微笑んだ。 そう言うと、星斗は眞門の膝の上に座った。 眞門が星斗を優しく包み込むように抱きしめた。 眞門は無言で何か喜びを嚙み締めているようだった。 星斗もまた幸福感で胸が一杯になった。 なにも言ってくれないけど、伝わってくる。 『good boy(お利口だ)』 そう言って、すごく褒めてくれてるのが眞門さんの体全体から伝わってくる。 星斗もそんな幸福感を味わうかのように、ギュッと抱き着いた。 少しすると、気が済んだのか、眞門が星斗を見つめた。 「今日はお泊りしようね。こんなPlayをした後だから、お互い、ひとりになるのは良くないからね」 「はい・・・」 星斗は素直に受け入れた。 どうして、お泊りする必要があるのか? こんなPlayってどういう意味なのか? 色々と、今後の参考の為に聞いておきたかった。 しかし、そんなことよりも、「眞門とこのままこうしていたい」、その気持ちが何よりも勝ってしまって、質問もせずに流されてしまった。 「今夜は一緒に眠ってくれる? Aftercare(アフターケア)って、Subだけじゃなく、Domにも大切なものなんだ」 「分かりました・・・」 正直、気恥ずかしいと思ったが、何よりも眞門の側から離れたくない。 どうしても今夜はそう思ってしまった星斗だった。

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