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家族と食事会へ②

「・・・ひょっとして、カズキさんに俺がDomだってことバレてる?」 眞門は探りを入れてみる。 「あ、ごめんね」 と、愛美が申し訳なさそうに両手を合わせた。 「ママがバラしちゃったのよ。ほら、お兄ちゃんはママにとって自慢の息子だから。人に聞かれると、お兄ちゃんの自慢話をペラペラ話すのよ。 研修医の時の研究で発見した治療法を応用して、ダイナミクスの性を持つ人用のためのコンタクトレンズを作ったって話。 今では会社を興して、立派な社長をやってるって。 その自慢話をしたときにカズキさんにお兄ちゃんの性別を聞かれてね。そしたら、ママがポロッとね・・・」 「そうか・・・」 「プライベートなことだもんね。怒った?」 「いや。ダイナミクスの性を持つ者に向けての会社を経営していたら、それは常に聞かれることだから。もうあまり気にしなくなった」 「そう・・・でも、どうしてそんなこと聞いたの?」 「・・・ん? Domは性質上、首元のアクセサリーに惹かれるんだ。だから、カズキさんはそれを知ってて俺に感想を求めたりしたのかな?って思って」 「Domってそんな性質があるの?! まあ、カズキさんは仕事上、人付き合いが広いからね。色んな人と付き合いがあるからそういうことも知っていたのかも・・・」 チッ、あの野郎、やっぱり、俺の性のことを知ってて、初対面の時からケンカ売ってたんだな。 眞門の推察は確信へと変わった。 俺が愛美に好意を寄せているってことも分かってるって言いたかったのか。 NormalのくせにDomにケンカを売るなんて良い根性してるじゃないか・・・あの野郎、必ずこの世から抹殺してやるからな!! 眞門は再び、そう固く誓った。 眞門が心にそんな秘め事を誓っていると、愛美のスマホが着信を知らせた。 「あ、ママからだ」と、着信の相手を口にして、通話に出る。 「・・・うん・・・今、お兄ちゃんと合流したところ・・・うん・・・えっ?! じゃあ、私も今からそっちに行くよ・・・え、でも、ママがあの店に行きたいって言ったのに・・・え・・・? うん・・・分かった。はい・・・はい・・・じゃあ、気をつけてよ」 愛美は通話を終えた。 「どうした?」と、眞門は通話を終えた愛美に問いかける。 「パパが体調を崩して、今、急に家に帰って来たんだって。で、今夜はパパの看病で行けなくなったから、あなたたちでだけで食事に行ってきてって」 「じゃあ、何かテイクアウトして、母さんの家で一緒に食うか?」 「そう思ったんだけど、パパは風邪みたいで、あなたたちに風邪を移すと悪いから、ウチには来なくて良いって。何かあれば、こっちからちゃんと連絡するからって。どうする? ふたりで行く? それとも日を改める?」 「そうだな・・・どうするか・・・」 と、考える眞門に愛美のチョーカーが目に入った。 愛美が俺とふたりで食事してきたって聞いたら、あいつ(=カズキ)は絶対に良い思いはしないよな・・・? 眞門に小さな悪意が生まれた。 カズキに必要のない嫉妬をさせて、少しぐらい苦しめてやれ。 「・・・折角だから、行くか。母さんが行きたかったお店なんだろう? 今度会ったときにでも母さんに話してやろうよ、どんなお店だったかって」 「そうだね・・・じゃあ、土産話でも作りに行く感じで行くことにしますか」 「で、どんなお店なんだ?」 「確か・・・安くておいしくてお腹いっぱい食べれる洋食店だって。最近、テレビの取材で取り上げられたのをママが見て、絶対行ってみたいの!って電話口で興奮してた」 愛美はそう笑って答えると、助手席のシートベルトを装着した。

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