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無様なDom③
「・・・あ、いや・・・眞門さん・・・っっ」
シャワーヘッドから放出される熱い湯のせいで、ガラス張りの浴室があっという間に湯気で覆われた。
星斗の背後に立つ裸の眞門が泡のついた両手で星斗の体をまさぐる様に洗う。
星斗は、自身の身体を自由に行きかう眞門の両手に体をくねらせ、甘い声も時折洩らした。
・・・眞門さんの触り方がいつもと全然違うっ
こんな大胆に触れてくるなんて・・・っ!
星斗は焦った。
いつもの眞門なら、ひとつひとつ、する行為の前にきちんと確認をとってくれた。
あれはイヤか、これは好きか、こうしても良いか。
なのに、今夜はこっちの気持ちなど全く気にすることなく、まるで、自分の物だと言わんばかりに、己の触りたいように体に触れてくる!!
首筋、胸、腹、脇の下、股の間までも・・・星斗の体を眞門の大きな両手が自由気ままに這いずり回る。
まるで、眞門の両手の中で踊らされているような気分になった。
眞門の両腕が星斗の腰を包み込むと、星斗を抱き寄せ、背中越しにギュッと抱きしめてきた。
「星斗、もう、その他人行儀な呼び方は今夜でやめなさい」
耳元で告げる眞門。
「えっ・・・」
「ほら、言ってごらん。あの夜のように『知未さん』って」
「・・・・・」
「俺を欲しがったあの夜のように」
「・・・・・」
「俺はあの夜の星斗が一番可愛くて大好きだ。だから、言ってごらん」
「・・・知未さん」
「よろしい」
眞門はニコッと笑みを浮かべると、星斗の顔を左手で斜め上に向け、強引に口づけを交わしてきた。
今度は、強引に眞門の舌が星斗の口内に入って来た。
そして、容赦なく星斗の口内を犯していく。
星斗が大好きな、いつものご褒美の、息も出来ないと思うほどの激しい口づけだった。
なんで、今度は・・・このキスっ!!
どうすることも許されない星斗は眞門にされるまま身を任せるしかない。
眞門さんの考えていることが本当に分からない・・・っっっ!!
こんなことしてどうなるんだっ!
口づけから解放されると、星斗は怒りで思わず眞門を睨み付けた。
しかし、眞門は嬉しそうに微笑んだ。
「その顔も大好きだ」
・・・へ?
「今、星斗の頭の中は俺でいっぱいなんだろう? それがとっても嬉しいんだよ」
眞門さん、本当に雷で完全におかしくなったのかな・・・?
星斗は思わず唖然としてしまった。
そんな星斗の隙をつくように、眞門は前を向いていた星斗の体を手を使って、左向きに変えさせた。
そして、己の左腕を星斗の胸の前に通すと、左腕に星斗の体の重心を掛ける様にして抱えた。
星斗は眞門の右手側に対し、尻を少し突き出す格好を取らされる。
「男に生まれてきたSubはね、どうしてだか、みんな残念がるんだよ。どうせなら、女のSubに生まれてきたかったって。確かに、Subに生まれてきた時点で受け入れなきゃいけない立場になってしまうからね、女性の方が受け入れる喜びが大きいと勘違いしてしまうんだろうね。でも、それは何も知らない浅はかな考えなんだよ」
星斗は眞門がいきなり何を語りだしたのか、不安になった。
眞門の右手が星斗の尻に伸びる。
「俺が通ってたDom校の保健体育の授業ではね、男に生まれてきたSubの体についてもきちんと教えられるんだよ。どうやったら、男に生まれてきたSubを悦ばせられて、従順にさせられるのかって・・・」
ボディソープの泡がたくさんついたままの眞門の右手が星斗の尻の割れ目に侵入していく。
「耳、口、上唇の裏、舌、首筋、手の指の間、脇の下、乳首、臍、陰茎、陰嚢、会陰、アナル、足の指・・・。
男の性感帯は実は無数にあると教えられるんだ」
眞門は星斗の尻の割れ目を優しく摩る。
「でも、性感帯を探すよりも、もっと大切なのことがある、そう教えられるんだよ。DomがSubに与えてあげなきゃいけないものはなにか? 分かるかい?」
「・・・・・」
「恥辱と悦び、苦痛と快楽、切望と従属」
眞門は星斗の尻の割れ目の間にある恥部を右の中指で優しくなぞり始めた。
「男のお尻はね、別に中ばかりじゃないんだよ。こうやって、尻の恥部を指で優しく弄ってあげるだけも気持ち良いんだよ」
「・・・・・」
「どうだい? 気持ち良くないかい?」
確かに、眞門さんの触り方がうまいのか、触られてる部位はとても恥ずかしいけど、気持ちは良い。
体が熱を帯びていく前。
緊張がほどけていく前。
そんな感じに体が慣らされていく。
「中に指を入れて欲しい?」
「・・・・・」
星斗は無視した。
Subの欲望に流されてたまるかと思うからだ。
眞門はその表情を見て、仕方ない子だなと、そんな呆れたような笑みを浮かべた。
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