108 / 311

最低なSub③

「愛してるよ」 眞門はそう言うと、星斗に優しい口づけをしながら、星斗のペニスを激しく扱き出した。 「・・・ああっ・・・ああっ、ああっっっ!!」 あっという間に、星斗のペニスから白濁した体液が勢いよく飛び出した。 星斗がイッたことを確かめると、「とてもお利口だ」と、ご褒美としての口づけを、また優しくしてやった。 キスをされながら、星斗は涙を止めることが出来なかった。 ・・・残酷な人だ。 なんて、残酷な人なんだ。 どうして、俺はこんな残酷な人にあの夜、出会ってしまったんだろう。 あの夜から、俺の人生はもう、こうなることが決まっていたんだ・・・。 ・・・ごめんなさい。 眞門さんの奥さんになる女性。 それに産まれてくる赤ちゃん。 あなたたちに眞門さんが必要なのは分かっています。 あなたたちの幸せを壊すつもりは全くないんです。 ただ、俺も・・・俺にも・・・この人が必要なんです。 俺も彼を愛してしまったんです。 本当にごめんなさい。 Subに生まれてきてごめんなさい。 Subには支配してくれる人がどうしても必要なんです。 どうして、この人なの? そう言われても俺も分かりません。 ただ、俺には、眞門さんに支配されることが生きる希望になるんです。 最低なSubに生まれてきてごめんなさい。 あなたたちを傷つけるつもりはないんです。 なので、眞門さんのことは絶対に独占しません。 俺の全てを眞門さんに独占されても、俺は眞門さんを独占したりしません。 あなた達に気づかれないよう陰でそっと生きていくんで、ほんの少しだけ、ほんの少しだけで良いんで、眞門さんのこれからの時間を俺に分けてください。 勝手な言い分でごめんなさい。 頑張ってみたんですけど、ダメでした。 多分、もうすぐ、俺の中のSubに全て飲みこまれます。 この勝負に俺は負けます。 俺はこの人に勝てたことがほとんどないから。 「・・・どうしたの? 泣いたりして」 ・・・ああ、俺はまだきちんと恋愛もしたことないのに、残りの人生をこの人の愛人として生きていくことになるんだ。 ・・・家に引き籠るニートよりかはそれよりもマシなのかな? どうなんだろう? どっちにしても最低な人生には変わりなさそうだ。 もう、首輪はつけてもらえなくても、俺はこの人に残りの人生を支配されることになるんだ。 何人目の愛人になるんだろう。 なら、せめて、一番目が良いな。 ああ、なんで、Subなんかに生まれてきたんだろう。 Subなんかに生まれてこなきゃ、こんなことにはならなかったのに・・・。 ああ、俺、完全に飲まれた・・・喜んでる。 俺が負けを認めた瞬間、眞門さんを俺の支配者に選んだ瞬間、俺のSubが喜んだ。 俺は本当に最低なSubだ。 眞門さん・・・違った・・・知未さんに残りの人生を支配されると心に決めたら、俺の中にあるSubの性がはしゃいでる。 「・・・知未さん」 「ん?」 「知未さんが欲しい」 「ああ」 「知未さんが欲しい」 「分かってる。 俺をお店で睨み付けた時から、星斗はそう言うと思ってた。 星斗が俺のことを大好きなのは分かってたよ」 「知未さんが欲しい」 「ああ。それで良いんだ。星斗はそれで良いんだよ。 俺で星斗の全てをいっぱいにしなさい。 いつでも俺のことで満タンにしておきなさい。身も心も俺だけで満たしなさい」 「知未さんが欲しい」 「約束だよ。星斗はもう永遠に俺だけのSubだからね」 星斗は了承する様に、自分から眞門に軽くキスをした。 どちらからともなく、引き寄せ合うように口づけを交わすと、いつしか、舌を絡ませあい、唾液を絡ませあい、互いを求め合う様に濃厚に口づけへと変わっていた。 口づけを止めると、眞門は手首と足首を施錠していた手錠を両方とも外した。 そして、星斗をゆっくり優しく押し倒す。 「今夜の罰ゲームは最高に気持ち良くしてあげるからね」 眞門はそう言うと、星斗の股の間に体を進めて、星斗の両足を掲げた。 「・・・うん、ここも完全に柔らかくなってるね」 眞門は星斗の尻の恥部の様子を指で確認する。 眞門が硬くした自身の分身をゆっくりと星斗の尻に挿入した。 「――――――」 しかし、星斗は何も反応を示さない。 「星斗? どうしたの?」 眞門は星斗の顔を見つめた。 「!」 星斗は目が虚ろとなり、既に表情を失っている。 もう分からない・・・。 何をどうしたら良いか分からない・・・。 俺には何も分からない・・・。 だから、俺の全てを知未さんにあげるから、知未さんの好きにしていいよ・・・。 眞門は星斗の異変に気づいた。 Sub drop(サブドロップ)!!? 眞門は慌てて星斗の尻からペニスを抜くと、星斗に呼び掛ける。 「星斗っ、星斗・・・! 星斗ーっ!!」 焦った眞門は、おぞましいGlareの放出も止めて、瞳の色も平常の黒い瞳へと戻した。 「・・・星斗っ、星斗っ!」 眞門は必死で呼びかけた。 「・・・知未さん」 「・・・良かった・・・」 星斗の意識が戻ったことに、眞門はとりあえず安堵した。 「・・・知未さん」 「ン?」 「ストップ」 「!」 星斗からsafe word(セーフワード)の発動食らった眞門は、アゥッ・・・アッ・・・アウォォッ・・・と、息が吸えなくなったのか、突然、呼吸出来ないことに苦しみだすと、そのままブラックアウトしたように意識を失くし、ベッドの上に倒れ込んだ。 星斗は眞門が意識を失くした姿を横目で確認すると、眞門の様子が心配になり、なんとかしなければと思うが、体を起こそうにも体に力が全く入らなかった。 ・・・どうしよう、暴走を止めようとしたつもりなのに・・・知未さん、死んじゃったかな・・・。 ごめんなさい・・・助けたいけど、俺もなんでか、全然体が動かない・・・ダメだ、目の前が真っ暗になって来た・・・ああ、真っ暗な闇が迫ってくる・・・ごめ・・・ん・・・なさい・・・。 星斗もまたSub drop(サブドロップ)に落ちてしまったのか、そのまま意識を失くしてしまった。

ともだちにシェアしよう!