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最低なSub③
「愛してるよ」
眞門はそう言うと、星斗に優しい口づけをしながら、星斗のペニスを激しく扱き出した。
「・・・ああっ・・・ああっ、ああっっっ!!」
あっという間に、星斗のペニスから白濁した体液が勢いよく飛び出した。
星斗がイッたことを確かめると、「とてもお利口だ」と、ご褒美としての口づけを、また優しくしてやった。
キスをされながら、星斗は涙を止めることが出来なかった。
・・・残酷な人だ。
なんて、残酷な人なんだ。
どうして、俺はこんな残酷な人にあの夜、出会ってしまったんだろう。
あの夜から、俺の人生はもう、こうなることが決まっていたんだ・・・。
・・・ごめんなさい。
眞門さんの奥さんになる女性。
それに産まれてくる赤ちゃん。
あなたたちに眞門さんが必要なのは分かっています。
あなたたちの幸せを壊すつもりは全くないんです。
ただ、俺も・・・俺にも・・・この人が必要なんです。
俺も彼を愛してしまったんです。
本当にごめんなさい。
Subに生まれてきてごめんなさい。
Subには支配してくれる人がどうしても必要なんです。
どうして、この人なの?
そう言われても俺も分かりません。
ただ、俺には、眞門さんに支配されることが生きる希望になるんです。
最低なSubに生まれてきてごめんなさい。
あなたたちを傷つけるつもりはないんです。
なので、眞門さんのことは絶対に独占しません。
俺の全てを眞門さんに独占されても、俺は眞門さんを独占したりしません。
あなた達に気づかれないよう陰でそっと生きていくんで、ほんの少しだけ、ほんの少しだけで良いんで、眞門さんのこれからの時間を俺に分けてください。
勝手な言い分でごめんなさい。
頑張ってみたんですけど、ダメでした。
多分、もうすぐ、俺の中のSubに全て飲みこまれます。
この勝負に俺は負けます。
俺はこの人に勝てたことがほとんどないから。
「・・・どうしたの? 泣いたりして」
・・・ああ、俺はまだきちんと恋愛もしたことないのに、残りの人生をこの人の愛人として生きていくことになるんだ。
・・・家に引き籠るニートよりかはそれよりもマシなのかな?
どうなんだろう?
どっちにしても最低な人生には変わりなさそうだ。
もう、首輪はつけてもらえなくても、俺はこの人に残りの人生を支配されることになるんだ。
何人目の愛人になるんだろう。
なら、せめて、一番目が良いな。
ああ、なんで、Subなんかに生まれてきたんだろう。
Subなんかに生まれてこなきゃ、こんなことにはならなかったのに・・・。
ああ、俺、完全に飲まれた・・・喜んでる。
俺が負けを認めた瞬間、眞門さんを俺の支配者に選んだ瞬間、俺のSubが喜んだ。
俺は本当に最低なSubだ。
眞門さん・・・違った・・・知未さんに残りの人生を支配されると心に決めたら、俺の中にあるSubの性がはしゃいでる。
「・・・知未さん」
「ん?」
「知未さんが欲しい」
「ああ」
「知未さんが欲しい」
「分かってる。
俺をお店で睨み付けた時から、星斗はそう言うと思ってた。
星斗が俺のことを大好きなのは分かってたよ」
「知未さんが欲しい」
「ああ。それで良いんだ。星斗はそれで良いんだよ。
俺で星斗の全てをいっぱいにしなさい。
いつでも俺のことで満タンにしておきなさい。身も心も俺だけで満たしなさい」
「知未さんが欲しい」
「約束だよ。星斗はもう永遠に俺だけのSubだからね」
星斗は了承する様に、自分から眞門に軽くキスをした。
どちらからともなく、引き寄せ合うように口づけを交わすと、いつしか、舌を絡ませあい、唾液を絡ませあい、互いを求め合う様に濃厚に口づけへと変わっていた。
口づけを止めると、眞門は手首と足首を施錠していた手錠を両方とも外した。
そして、星斗をゆっくり優しく押し倒す。
「今夜の罰ゲームは最高に気持ち良くしてあげるからね」
眞門はそう言うと、星斗の股の間に体を進めて、星斗の両足を掲げた。
「・・・うん、ここも完全に柔らかくなってるね」
眞門は星斗の尻の恥部の様子を指で確認する。
眞門が硬くした自身の分身をゆっくりと星斗の尻に挿入した。
「――――――」
しかし、星斗は何も反応を示さない。
「星斗? どうしたの?」
眞門は星斗の顔を見つめた。
「!」
星斗は目が虚ろとなり、既に表情を失っている。
もう分からない・・・。
何をどうしたら良いか分からない・・・。
俺には何も分からない・・・。
だから、俺の全てを知未さんにあげるから、知未さんの好きにしていいよ・・・。
眞門は星斗の異変に気づいた。
Sub drop !!?
眞門は慌てて星斗の尻からペニスを抜くと、星斗に呼び掛ける。
「星斗っ、星斗・・・! 星斗ーっ!!」
焦った眞門は、おぞましいGlareの放出も止めて、瞳の色も平常の黒い瞳へと戻した。
「・・・星斗っ、星斗っ!」
眞門は必死で呼びかけた。
「・・・知未さん」
「・・・良かった・・・」
星斗の意識が戻ったことに、眞門はとりあえず安堵した。
「・・・知未さん」
「ン?」
「ストップ」
「!」
星斗からsafe word の発動食らった眞門は、アゥッ・・・アッ・・・アウォォッ・・・と、息が吸えなくなったのか、突然、呼吸出来ないことに苦しみだすと、そのままブラックアウトしたように意識を失くし、ベッドの上に倒れ込んだ。
星斗は眞門が意識を失くした姿を横目で確認すると、眞門の様子が心配になり、なんとかしなければと思うが、体を起こそうにも体に力が全く入らなかった。
・・・どうしよう、暴走を止めようとしたつもりなのに・・・知未さん、死んじゃったかな・・・。
ごめんなさい・・・助けたいけど、俺もなんでか、全然体が動かない・・・ダメだ、目の前が真っ暗になって来た・・・ああ、真っ暗な闇が迫ってくる・・・ごめ・・・ん・・・なさい・・・。
星斗もまたSub drop に落ちてしまったのか、そのまま意識を失くしてしまった。
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