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目が覚めたら・・・

星斗と眞門がようやく恋人として結ばれて、幾日か過ぎた、とある平日の早朝―。 星斗は眞門の寝室のベッドで目を覚ました。 「ンーーーっ」と、実家のベッドとは比較にならない程の広さが快適だとばかりに背伸びをした星斗。 知未さんとほぼ一緒に生活をするようになってから、毎日、熟睡だ・・・。 星斗はすこぶる快適な目覚めを迎えていた。 ふたりの関係は結婚も視野に入れたお付き合いという事で、無職に戻った星斗が眞門の家にほぼ居ついてしまった、そんな状況でふたりの仲は進んでいる。 と、星斗は今朝、自分の身に起こったある異変に気づく。 ・・・え!? ちょっと、待って・・・! 俺、なんで全裸なの!? 目が覚めたら、自分がパジャマを着ていないことに気がついた。 隣でまだ眠っている眞門を確認すると、眞門はパジャマをきちんと着た姿で眠っている。 え、俺、昨日、ちゃんとパジャマを着て寝たよね・・・? なんで・・・??? 星斗は寝起きの頭をフル回転して、昨晩を思い出す。 ・・・昨日の夜は確か、知未さんが仕事の都合で帰りが遅くなるから、先に寝ておくようにと言われて、知未さんの帰りを待たずにひとりで先に眠ったはず・・・ と、そこまで思い出すと、今度は自分の体にある不快な現象が襲われていることに気がついた。 ・・・てか、さっきから、なんだか・・・あそこが・・・チンコが・・・なんか、変なんだけど・・・ 男の生理現象(=朝勃ち中)の下腹部に妙な不快感を感じる。 ・・・苦しいような・・・不快なような・・・なんだか締め付けられる様な・・・でも、ちょっと気持ち良いよな・・・とにかく、トイレ・・・っ! 星斗は自分の股間になにか良くないこと(=例えば、病気や怪我)が起こったのではないかと思い、ベッドから慌てて出ると、寝室を飛び出して、同じフロアにあるトイレへと駆け込んだ。 トイレに入り、自身のアレを確認すると同時に、「うわーーーー、なんだー、これー!!」と、絶叫した。 その声が響き渡ると、ベッドで眠っていたはずの眞門が「フフフンっ・・・」と、こらえきれなかったのか、笑いを噴き出した。 星斗は急いで寝室に戻ってくると、「知未さんっ、知未さんっ!!」と、眞門を叩き起こす。 寝たふりをしていた眞門はあたかも、今、目が覚めたような演技をする。 「・・・ンー、どうしたー?」 「俺のチンコに何したんですか?」 「へ?」 「俺のチンコのカリのところに、ゴールドの輪っかみたいなのがついてるんですけど・・・っ!! 目が覚めたら、なぜか全裸にされてるし」 「ああ、それは、昨日の夜、星斗が先に寝てるからつまんないと思ってさ、寝ている星斗相手に罰ゲームを掛けたゲームをひとりで楽しんでたの」 「へ?」 「気づかれずに星斗を全裸に出来たら、俺の勝ち、みたいな・・・」 「なんで、そんなことするんですか?!」 「だって、声かけても、星斗が熟睡してて全然起きてくれないから、つまんなくて・・・」 「つまんないからって、俺のチンコに何をつけたんですか!」 「何って、罰ゲームの首輪に決まってんじゃん」 「!」 「それ、凄くない? 元は仮性包茎の矯正用に発明されたリングらしいんだけどさ、それをメンズのSub用リングとして改良したんだって。 所謂、チンコ用の首輪に。 大きくなっても平常時でも伸縮自在で外れないんだって」 「俺、こんなの付けなくても剥けてますよ・・・」 「そうなんだよ、このリング、剥けてるSubしか装着できないのが欠点でさ、星斗が包茎じゃなくてホント良かったよ・・・」 「とぼけた顔して、朝から何の説明してくれてるんですか・・・っ! いいから、今すぐ外してくださいよっ!」 「それ、一度つけると外せないんだって、ごめんね」 「!? 嘘ですよねっ! 冗談ですよね!?」 星斗は慌てて、外そうと試みる。 引っ張ってみても、回してみても、どうやっても取れない。 そもそもリングの繋ぎ目がどこにあるのかが分からない。 「これ、そもそも、どうやってつけたんですか! 参ったなー、もう・・・っ!」 星斗は何をどうしても外れない首輪(?)に焦り出す。 「だってさ、今、特別に作ってもらってる本物の首輪の方が出来上がるまでさ、一ヵ月も掛かるんだよ。その間、星斗は誰のものでもありませんってことになっちゃうから、だから、せめて、チンコに首輪でもつけておこうかと・・・チンコの首輪で我慢しようとする俺、Domなのに、いじらしくない?」 「どこがですか! 勝手につけられた方はたまったもんじゃありませんよ! だから、俺は既製品の、普通のやつで良いですって言ったじゃないですか・・・っ」 「俺がヤダよ。星斗があんな苦しい思いを乗り越えて、俺を選んでくれたんだから。最初は特別なものを贈りたいじゃん」 「知未さん・・・」 星斗はすぐに絆されてしまう。 「だから、それまではチンコの首輪で我慢してね」 「いやいや、そういう問題じゃないですよ! 俺、こんなんじゃ、公衆トイレにも恥ずかしくて行けないじゃないですか!」 「個室に入れば誰にも見られないだろう」 「じゃあ、銭湯は?」 「銭湯なんか、この先、絶対に行っちゃダメよ。てか永遠にダメ。星斗の裸が色んな人に見られるかと思うと、想像しただけで腹が立つ。しかしさ、未だに、男女分けで入浴するなんて時代遅れもいいとこだよな」 「でも、Normalにはその分け方じゃないとダメですよ」 「あ、そっか・・・てか、Domの男の目の前で星斗が素っ裸になるなんて想像しただけで心臓がもたない。だから、絶対に行っちゃダメっ」 「そんな・・・風呂に入るだけじゃないですか・・・」 「ダメと言ったら、ダメなんです!」 「知未さんのイジワル」 「俺にイジワルされるの好きって言ったじゃん」 「言いましたけど・・・でも、これ・・・なんで、カリのところなんですか・・・同じつけるなら、せめて根元とかにしておいてくださいよ・・・」 「だって、カリ首って言うじゃん?」 「そっか、これもれっきとした首輪なんだ。カリ首輪を貰えるなんて、俺、愛されてるだ〜、なんてことになりませんから!! これじゃあ、シコれないじゃないですか・・・」 「いいじゃん。星斗はお尻でちゃんとイケちゃうお利口さんなんだから」 「じゃあ、ひとりでする時は?」 「え、なんで、ひとりでする必要があるの?」 「え、知未さんはしないんですか?」 「しない。だって、星斗がいるのに」 「そうなんですか・・・」 まあ、10歳離れてるしな・・・。 知未さん、鍛えてるけど、所詮おっさんだしな。

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