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どうにも止まらない

眞門の運転する車が、眞門の自宅があるマンションに到着した。 すぐさま、最上階にある自宅を目指し、エレベーターに乗り込む星斗と眞門。 星斗は眞門を求めてしまう《欲望》がもう抑えられないとばかりに、眞門の左腕にしがみつく。 「・・・ここまできちんとCommandに従ったので、部屋に着いたら、ご褒美を・・・いっぱいもらっていいですか? ・・・ご主人様」 「!」 その一言で眞門の中にあるDom性が眞門を全て支配していく。 ああーっ、この場で、服を全てはぎ取って、声が枯れるまで犯してやりたいっ!! ・・・というか、さっきから、なんなんだ、この凶暴性溢れるDomの衝動は!! 何度も襲ってくる荒々しい衝動を、眞門は必死で抑える。 「・・・ああ」 Domを抑え込もうとする眞門は簡素に答えるだけで精いっぱいだった。 「ありがとうございます・・・」 星斗はそう返事すると、眞門の左腕をギューっと胸の中で抱きしめるようして、更に強くしがみ付いた。 星斗に目をやると、少し汗ばんだ額に、火照った頬。 「ハァー・・・ハァー・・・」と、ゆっくりとしたリズムの浅い呼吸。 まるで媚薬でも飲まされたかのような状態だ。 これが父のGlareの力なのか? 星斗を見ていると、こっちまで気がおかしくなる。 「星斗、部屋に着いたら、先に寝室に行って待ってなさい。 さっき、部下に伝え忘れた用件があるから、もう一度会社に連絡をしてから寝室に向かう。 それまではお利口にして待っているんだよ」 「はい、ご主人様」 「いい子だ」 眞門は星斗の頭を優しく撫でてやった。 ※  ※ 部屋に着くと、星斗は指示された通り、螺旋階段を下りて、階下にある寝室に先に向かった。 眞門は星斗の姿が見えなくなると、スーツの内ポケットから、寺西から処方された抑制剤の錠剤を取り出す。 一度に摂取しても良いとされる最大の数、4錠を急いで口の中に放り込むと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、体の中へと流し込んだ。 「フーっ」と、大きく息を吐くと、自分のDom性の衝動が少し落ち着き始めたことが実感できるまでじっとする。 大丈夫だ、俺なら出来る。 星斗だけを気持ち良くさせてやることだけに集中すれば良いんだ。 だから・・・Domにだけは飲みこまれるな。 Domの欲望にだけは、絶対に憑りつかれるな。 俺は良いご主人様になれるっ! なるんだっ! なるんだろうっ!! 眞門はDom性の衝動が落ち着くまで、自分にずっと言い聞かせる。 「よし・・・っ」と、準備が出来た、そんな感じで声にすると、ソファに向かってスーツを脱ぎ捨てた。 そして、ネクタイを外しながら、星斗が待つ寝室に向かって、螺旋階段を下りて行った。

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