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嵐を呼ぶ男④

「それは残念ながら無理だな。そんなことしたら、雫ちゃんの体が壊れてしまう。知未の愛人になってもらわなきゃいけないからね」と、拓未。 「・・・は?」 明生の顔色が一瞬にして変わった。 「今、なんておっしゃいました? 笹ノ間が息子さんの愛人になるって言いました?」 「ああ」と、拓未は明生が星斗の弟と分かっているのか、あっけらかんと答える。 明生の眉間に皴が寄る。 ヤバい・・・。 明生、めちゃくちゃキレてる・・・。 あの顔、めちゃくちゃキレてるよ・・・っ。 明生の顔が目に入った星斗はただ怯えた。 「チッ」と、舌打ちすると、明生は星斗に視線を向ける。 「おい、バカ兄貴。どういうことか、今すぐ説明しろ」 「バカ兄貴って、お前、人前だぞ・・・っ」 バカ兄貴って久々に言われた・・・っ。 まあ、バカですけど・・・。 最近、言動がとても優しかった明生の「バカ兄貴」発言に、明生が相当怒っていることが星斗には伝わった。 「言わないと、マジでCommand使うぞ」 「・・・・・」 「なんで、黙ってるんだ? それは俺に話す気がないってことか?」 「・・・・・」 ・・・だって、言ったら、知未さんのことを殴りに行くじゃないか。 星斗は眞門のことを守りたくて無言を貫いた。 「そうか・・・じゃあ、お仕置きとして、おふくろに包み隠さず、全てを報告するからな」 「!」 そんな!? それだけは・・・。 やっぱり、イヤな予感しかしなかったんだよ・・・。 最悪な展開だ・・・。 と、星斗はガックリと肩を落とした。 「・・・じゃあ、笹ノ間、お前は正直に話してくれるよな?」 そう言うと、明生は、笹ノ間に視線を合わせた。 「・・・・・」 眞門の愛人という立場をどうしても手に入れたい笹ノ間も、明生に邪魔されるのを嫌って、無言を貫く意志を見せる。 「・・・フーン。じゃあ、おふくろに泣きつてお願いしようかなー。笹ノ間先生にレイプされたから、転校を希望したって。今すぐ、警察に通報してって」 「!」 笹ノ間も顔を青ざめる。 「・・・さあ、どちらが先に俺に話してくれるのかなー?  話してくれた方には、ご褒美として、お仕置きはナシにしてあげるよ。 ・・・さあ、早く教えてくれないかなー?」 明生はDomらしいやり方で、星斗と笹ノ間に真実を迫った。

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