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共謀

星斗と眞門は愛を確かめ合う熱い口づけを終えた―。 「・・・怖く、ないの?」 星斗が眞門に問いかけた。 星斗は覚悟をいくら決めたとはいえ、「これが最後になるかもしれない」、そう思うと、やはり怖気つく。 「怖い。とっても怖いよ」 眞門は素直に答えた。 「でも、俺は星斗を絶対に手放さないと決めて、ここに来た。だから、大丈夫。今はそう信じる」 眞門は、ショルダーリードの先端にある留め具のフックを星斗の首輪(カラー)に装着した。 「だから、星斗にも力を貸してもらえたら嬉しい」 星斗にプレッシャーを掛けたくないと思ったのか、眞門は精いっぱいに微笑んで見せた。 リードで眞門と繋がった影響なのだろうか、リードを介すようにして、星斗の体内に何か流れ込んでくるものを感じた。 とても温かい。 星斗はそう感じる。 アフターケアの時間にいつも流れる安堵できる感覚。 このご主人様に守られているなら、自分はきっと大丈夫。 包み込むように与えてくれる安らぎ。 この人は本当に俺を守ると決めている。 「心配するな」 繋がったリードからそう言ってくれている気がする。 そう感じた星斗は眞門に思わず抱き着いた。 こんな時でも精いっぱい微笑んでくれる人を俺は失いわけにはいかない。 星斗の中にあった不安は徐々に消え、ゆっくりと胸の中に新たな光のようなものが湧き上がってくる。 俺がこの人を守る。 星斗の本当の覚悟が決まった。 「・・・知未さん」 「ン?」 「俺のことをあなたの好きにしてください」 「ええ?」 星斗は眞門を見つめると、とても妖艶に見つめた。 そして、眞門の左手を取ると、それを口元に持ってきて、軽く口づけをする。 「あなたのこの手で、俺をあなた好みの良い子に調教してください」 「・・・ああ」 眞門にもリードを介して何か伝わったのだろう。 眞門はとても深く頷くように返事した。 星斗は自分が考えられる最善のことをやる。 迷いはない。 そう決めた。 眞門を失わないと誓った以上、自分に今、何が出来るのか。 それは従順なSubになるしかない。 Play中に眞門の怒りを買わない限り、眞門は自我を見失うことはない。 今までの経験で星斗はそれがとてもよく分かっている。 眞門がDomの異常性を見せる時は、必ずと言っていい程、星斗が眞門の気に入らない言動を取ってしまう時だ。 それがSub drop症候群と言われる症状だとしたら、自分がその原因を作らなければ良いだけ。 俺は一生、知未さんの指示に従い続ける。 そして、知未さん好みのSubになって、俺が症状を抑え続ける。 そう覚悟が決まれば、星斗がやれることはただひとつだけ。 眞門がやりたいと思ったことは全て受け入れる。 そうすれば、眞門は自我を失わず、Dom性が暴走することもないだろう。 Subの自分だからこそできるやり方で、眞門を守る。 そう決めた。 拓未と明生に己の恥ずかしい部分を全て見せてしまうことにはなるが、それと引き換えに愛する人を守れるなら、全く大したことではないと不思議と思えた。 俺が知未さんを連れて帰る。 また、二人だけの生活に戻る。 それが星斗の胸に沸いた希望だった。 「・・・好きなだけ、俺を知未さんの色に染めてください」 星斗は熱く濡れた瞳で眞門を見つめた。 愛おしそうに星斗を見つめていた眞門の表情が急にキリリと引き締まった。 「星斗、Kneel(お座り)」 星斗は眞門を上目遣いで見つめたまま、素直にCommandに従い、ペタンと地面に座った。 「Lick(なら、まずは、ふたりの前で上手く舐めてみせなさい)」 眞門は躊躇することなく、自身の局部を拓未と明生がいる目の前で愛撫するように星斗に命じた。 「はい、ご主人様」 星斗も躊躇することなく、眞門のボトムスのチャックに手を掛けた。

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