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Playを知る
「んぐっ・・・ぐぅ・・・ぐん・・・っ」
星斗のくぐもった声が部屋の中で洩れる。
食材の買い出しなど放り出し、星斗と眞門は部屋に舞い戻った。
そして、早くも眞門のお仕置きは始まっていた。
ソファに座り、股を大きく開いた眞門の股間に、床に正座した星斗の顔が埋まっている。
眞門の大きく膨張した下半身はズボンのチャックから放り出され、星斗はそれを口いっぱいに頬張っていた。
星斗は後ろで手にされ、両手首をスーパーで繋がれていた皮のリードで縛られている。
抵抗できない星斗の頭を眞門は両手で挟むようにして掴むと、星斗に遠慮することなく、勝手気ままに星斗の口内で自身のペニスの上下運動を何度も激しく繰り返す。
お仕置きだと思う星斗は、欲望の塊となった眞門の肉棒をされるがまま、口の中で受け止める。
「ショックだよ・・・星斗に淫乱Subの片鱗があったなんて・・・」
静かな怒りを感じる。
「俺の下僕になりたいってどういうことか分かる? 下僕になるってね、こういうことをされるってことだよ」
眞門は行為を一切ゆるめることなく、星斗の口の中にペニスを何度も押し込む。
「ご主人様だけが気持ち良くなれば、下僕のことなんて後はどうでも良いってこと。それをなんて言うか知ってる?」
星斗の口の中を弄ぶ眞門の表情に、悦びなど一切ない。
下僕の愛撫になど悦びを感じない、そう思うぐらいに表情がない。
「ただの性処理係、肉便器になるってことだよ。星斗はDom の肉便器になりたかったわけ?」
ペニスを口に放り込まれたまま、ずっと頭を抑えつけられている星斗に発言する権利など与えられていないことと同じだ。
「俺は星斗のパートナーになりたいからプロポーズまでしたのに。なのに、ひとりで気持ち良くなろうとするなんてルール違反じゃない?」
「・・・・・」
「酷くないか?」
「・・・・・」
「俺のPlayがそんなにつまんないってこと?」
「・・・・・」
「あ、下僕だから、何も答えちゃいけないよ」
「・・・・・」
「だって、肉便器には俺のペニスさえあれば充分なんだろう?」
星斗が発言できないことをいいことに、眞門お得意のネチネチ口撃が始める。
「うぐ・・・ぐう・・・う」
ペニスを口内にずっと押し込まれたままでいるせいで、さすがに息が続かなくなり、苦しくなったのか、星斗からうめき声のような声が洩れ始めた。
それが耳に入るや否や、眞門は星斗の頭をすぐに解放してやる。
「・・・ぷはぁっ!」
ようやくペニスから解放された星斗は顔を上げると、肩で息をした。
と、星斗の息が整う前に、眞門は星斗の顎をグイっと持ち上げると、顔を近づける。
眞門は星斗の顔をジロジロと見ると、
「すげぇー、スケベな顔」
と、なじった。
「・・・・・」
星斗は思わず頬を赤くする。
「どうしたの? 褒めてないよ」
「・・・・・」
「下僕扱いされて嬉しかったの?」
「・・・はい」
「変態」
「・・・・・」
星斗はなじられて、素直に悦びを感じてしまった。
今日の俺はおかしい・・・。
星斗はその悦びが眞門にバレないよう、唇をじっと噛んでひた隠す。
しかし、眞門には通用しない。
「なにそれ? 本当に、Dom の肉便器になるつもりなの?」
眞門は星斗の顎から手を放すと、軽蔑する顔を見せる。
焦った星斗は、「違いますっ! そんなのありえないですっ!」と、慌てて口にする。
「何が?」
「・・・その・・・少し想像してみた・・・だけです」
「何を?」
「それは・・・」
星斗は口籠る。
言えない。
言えば、本当に嫌われそうで言えない。
俺の本当の欲望を知られたら、嫌われそうで言えない。
眞門はまた身を乗り出すと、
「じゃあ、星斗はどうして、ひとりPlay なんかしたの? Say 」
「!」
眞門は強制力があるCommandで自白を強要する。
Commandから逃れられない星斗は正直に話すしかない。
「・・・首輪 にリードを繋がれて歩いてたら・・・知らない人に・・・たくさんの人に、俺が知未さんのSubだって知られるんだって思ったら、興奮が段々止まらなくなってきて・・・。
俺は知未さんに恥ずかしいことをされているSubだって想像されていると思うと、最初は恥ずかしかったのに、段々、嬉しくてなってきて・・・それで興奮が止まりませんでした・・・」
「そう・・・俺のSubだと知られて、嬉しかったんだ?」
「はい」
「なのに、なんで、下僕になんかなりたいと思ったの?」
「だから、それは、その・・・」
・・・言えない。
多分、俺が「変態だからです」って言えない。
「分かった、もういいよ。俺が何にこんなに怒っているか、身をもって教えてあげる。今日は特別に下僕にしてあげるよ」
「えっ・・・」
眞門はそう言うと、自身のペニスを素早く仕舞って、ソファから立ち上がった。
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