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またもや苦悩する眞門②
「・・・なんていうかさ・・・その・・・3Pをな、しないかって誘われて・・・」
眞門はもぞもぞとしながら打ち明ける。
「3P!?」
「いや、ほら、その時は愛美に実らない片思いを何年としてた時で、その・・・なんていうの・・・? ・・・実らない恋であるなら、せめて妄想の世界ぐらいは・・・みたいな?」
呆れた顔を浮かべる寺西。
「・・・お前って顔に似合わず、ホント、ど変態だよな」
ダイナミクス科の医師の経験から、寺西は眞門が妄想した3Pの内容に簡単に察しがついた。
「! いや、俺がしたいって言いだしたわけじゃないよっ。カウンセリングの時にちょっこと、ほんのちょっこと身の上話をしたらさ、青さんがそういうプランを練ってくれてさ・・・」
「ほんのちょこっとの身の上話で、星斗クンの父親を愛美ちゃんの旦那に見立てて・・・みたいな3PPlayを思いつきますか?」
「いや、本当に青さんの原案、演出、提案なんだって!」
眞門は必死に体面を繕う。
「私をその憎い恋敵だと思って、Playしてみませんか?って。
俺の抑えきれない怒りが随分と抑えられると思いますよって。
それで、俺もむしゃくしゃしてたしさ・・・お値段も意外とリーズナブルだったし・・・」
「だからって、お前・・・いくら疑似Playだからって言っても、憎き恋敵まで犯すか!?」
「やってないよっ、そんな変態的なことはしてないっ! 断じて神に誓ってやってないっ!!」
眞門は必死に訴える。
「縛り付けて、鞭で何度かぶって、洗濯ばさみで乳首を思いっきり引っ張った程度だよっ!
でも、思ったほど楽しくなかったから、その後は目の前でSubのキャストの子とのPlayを見せつけたんだよ。そしたら、まあ、それにハマってしまって、何度かそういう3Pをした・・・」
「・・・・・」
寺西は思った。
充分変態だぞ、と。
しかし、それを口にするのは、さすがに可哀相かと思い、寺西は心の中に仕舞いこんだままにした。
「じゃあ、Normal的に言う"竿姉妹"ってやつなんじゃないんだ?」
「当り前だろうっ!! その一線を超えてたら、もっとうろたえてるって。たださ・・・俺の性癖は全部知られてる」
「あー、それはヤダわ。俺も結婚相手の父親に俺の好きな体位とか全部知られてたら、目の前から飛び降りて、一回死ぬわ。
娘に絶対あんなことしてんだろうって白い目で見られているのかと思うとゾッとする」
「だろ? 俺が普段から星斗にどんなことしてるとか、全部知られてると思うとさ・・・」
そこまで言うと、眞門は突然、表情を落とした。
「って、そこじゃないんだよ、俺が本当に悩んでいるのは・・・」と、洩らした。
「なあ、星斗には、このことを黙っておいた方が良いのかな?」
「へ?」
「このまま黙っておくことが正しいと思うか?」
「いや、黙っておくもなにも、そうしなきゃ大変なことになるだろう?」
「でもさ、こんな不安定な状態でいる俺に、明るい顔でなんでもないって感じで、健気に側に居てくれてさ・・・。
俺と知り合ってから、星斗はずっとしんどい思いばかりしてると思うんだ。
この前の俺の症状を探るお試しPlayの時だって、相当のストレスが掛かったと思うし。
なのに、こんな俺とまだ一緒に居てくれてさ、なのに、俺は不誠実って・・・。
なあ、星斗にはちゃんと告白するべきだよな?」
「いや、それはどうかと思うぞ。
大体、Normal育ちの星斗クンにきちんとした理解がまず出来ると思うか?」
「そこなんだよ」
「お前が今ここでした話は、
『あなたの父親は性風俗店で働いてます。
そして、婚約者の私はその性風俗店に通っていた過去があります。
しかも、あなたの父親と私は3Pまでした仲です』
って話だぞ。
Normalの世界なら即、破談。婚約破棄レベルだぞ」
「だよなー」
そう洩らすと、「あー、もうっ、どうすりゃいいんだよ!」と、苦悩に満ちた叫び声を上げた。
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