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己を知りうる者は・・・③

口づけを終えると、眞門がまた熱い瞳で星斗を見つめる。 「Strip(脱いで)」 星斗は熱く見つめられる瞳に戸惑いを見せる。 誰、だ・・・? この知未さん、誰なんだ・・・? 圧がないわけじゃない。 でも、怖くない。 かといって、優しいものでもない。 服従しなきゃ、絶対にお仕置きされる。 そんな厳しさもちゃんと伝わってきている。 俺はこの人に支配されているSub。 それが肌にじんじんと伝わってきて、この空気は嫌いじゃない。 なのに、この知未さんを俺は知らない。 「待って・・・っ」 「Sh(話すな)」 「・・・・・」 「Strip(脱いで)」 「・・・自分で脱ぎますか? それとも・・・」 「俺が脱がす」 星斗が全て聞き終える前に、眞門は言葉を被せた。 眞門が星斗の服の端に手を掛けると、星斗は抵抗せず手を万歳し、上着を脱がされた。 「チュ・・・、チュッ・・・チュ・・・っ」 星斗が上半身裸になると、眞門は星斗の体に軽く口づけをする。 それは少し吸い付くような優しい口づけ。 星斗の体を口で愛でるように。 なんだ、これ・・・? 俺は何をされているの? 本当にこの知未さんは誰なんだ・・・? 解けているのか、怯えているのか、自分の感情がいまいち分からない・・・。 俺は何をされるの・・・? それが期待なのか恐怖なのかも分からない・・・。 眞門は星斗の左胸、右胸、右の横っ腹、腹の真ん中あたりへと、上から下へと軽く口づけをしながら、両膝を床に突いて、背を屈める。 眞門が星斗を上目遣いでじっと見つめる。 「・・・・・」 「・・・・・」 その熱い視線に、星斗は全てを奪われそうになる。 と、星斗の向きを強引に姿見の方へと向けさせた。 そして、星斗の腰を軽く引っ張り、尻を突き出させる。 「Look(鏡を見なさい)」 星斗は鏡に映る自分の顔を見つめる。 なんだ、この顔・・・。 すげえ、情けない顔してる・・・。 「誰かに汚されるくらいなら、俺が汚す。良く覚えておいて。俺に汚されていく姿。こうやって、星斗は俺のSubになっていくんだよ」 眞門はそう伝えると、星斗の尻臀を両手で大きく広げた。 「!」 星斗の尻の恥部が露わになると、眞門は尻の割れ目に顔を埋め、恥部を舌でねっとりと愛撫し始める。 「・・・あーっん!!」 星斗からすぐに吐息が洩れた。 「・・・あっ・・・あんんっっっ、あっ、あっ、・・・待って、待って・・・っ!」 嘘だ、嘘だ、嘘だっ! 待って、知未さんっ! 俺の知ってる知未さんは俺にこんな淫欲的なことを自らはしてこないっ! 俺が求めない限り、知未さんは俺を欲しがらない。 俺が悪いことをしない限り、知未さんは俺に罰を与えない。 それが俺たちのPlayだったはず。 俺の主人は、俺を自ら欲しがる人じゃなかった! 俺が欲しがらないと与えてくれない。 そんな意地悪なご主人様が俺の知ってる知未さんだったはず。 なのに、突然、どうして! 本当に、今、俺を支配しようとしている人は誰なんですか!? 「・・・ダメ・・・ダメ・・・そんな汚いところを舐めないで・・・お願い、恥ずかしい・・・やめて・・・感じちゃうから・・・ヤダ・・・やめて・・・っ」 星斗は吐息に交えながら、甘い声で訴えた。 しかし、眞門は耳を貸さず、星斗の尻の割れ目に顔を埋めたまま、時折、イヤらしい唾液の音を交えながら愛撫する。 このPlayはお仕置き・・・?  いや、違う。 痛みが伴ってない。 じゃあ、ご褒美? 何の? 何を褒められてる? ・・・躾? 俺、喘ぎ声しか出してない・・・。 星斗の中でこのPlayが何の目的が行われているのか? 明確な答えが出てこない。 鏡に映る星斗の顔が少しずつ、卑猥な顔へと変わっていく。 ・・・イヤだ。 こんな顔、見たくない。 こんな恥ずかしいことされて、こんな顔になるなんて知りたくない。 俺、こんなスケベな顔して、いつもおねだりしてるの・・・? ・・・イヤだ。 知りたくない。 俺の本当の姿。 ・・・知りたくない。 「知未さん・・・もう、ヤダ・・・もう止めて・・・」 星斗はとても甘い声で訴えた。 眞門は愛撫を止めると、立ち上がり、鏡越しに星斗を見つめる。

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