260 / 311
大浴場へ
星斗と眞門は一緒に桃の間を出ると、星斗はSub用の大浴場へ、眞門はDom用の大浴場へと別れて入った。
大浴場がある場所は階段を降りたらすぐにあるので、星斗はスケスケの浴衣&スケスケTバックの姿を誰からも見られることなく、大浴場までたどり着けることが出来た。
ドキドキだったよ・・・。
星斗は初めて味わうちょっとした興奮の中、スケスケ浴衣を脱いだ。
と、大浴場に新たな宿泊客がやって来て、星斗の隣で同じようにスケスケの浴衣を脱ぎ出した。
「!」
とんでもないものが視界に飛び込んできた気がして、星斗は、思わず隣の宿泊客を確認する。
若い女だ。
星斗は見てはいけないと、すぐさま視線を外す。
「!?」
は!? どういうこと・・・!?
待って、待って、待って!!!
Sub専用って、男女の性別は関係ないってこと!?
隣で浴衣を脱いだ若い女性は星斗より先に素っ裸になってみせると、星斗の存在など平然とした様子で風呂場へと向かって行く。
え!? ・・・えっ? えっ??! えええーーーっ!!!
あの娘 、今、俺の平らなおっぱいを確認したよね?
なんなら、レースのスケスケおパンティーからうっすら見える俺の男の子も確認してたよね?
これ、犯罪にならないの?
俺、警察に捕まんない・・・!?
そんな不安に襲われた星斗は、スケスケ浴衣をもう一度羽織直すと、一旦、浴場の外に出てみる。
どうしよう・・・?
知未さんにどうしたら良いか聞きに行くか?
・・・いや、でも、SubがDom専用の大浴場に入って行ったら、とんでもない目に遭うって注意受けてるし・・・。
そもそも、こんなスケベな恰好を自らしておいて、それでDomの中に飛び込んで行って、犯さないでください!なんて、どう考えたって通用しないよな!?
星斗が困り果ててると、先程、部屋の案内をしてくれたベテラン仲居が偶然にも通りかかった。
星斗は思わず、「あのっ!」と、声を掛ける。
「はい、何でございましょう」
「俺、男なんですけど、今の時間に、ここに入浴しても良いんでしょうか?」
星斗はSub専用の大浴場を指して、尋ねる。
「はい。・・・どうかされましたか?」と、ベテラン仲居。
「いや、女性の方がすでに入浴されてまして・・・」
「ええ。今日のお泊りのお客様はお客様以外、全て女性のSubの方でいらっしゃいます」
「いや、そうことを聞きたいんではなくて・・・」
このベテラン仲居とはどうも会話が上手くかみ合わないと苛立つ星斗。
と、Dom専用の大浴場から、湯上り姿の女性が出てきた。
「!」
え!? どういうこと・・・?
知未さんは女性と混浴してるってこと!?
平気なの!?
俺以外の異性と混浴するなんて許せないんだけどっ!
・・・いや、待って、この場合、異性じゃないのか!?
え、もう、何が何だか全然分からないっ!
俺は一体、どこの世界に迷い込んだんだーっ!
Normal育ちの星斗はカルチャーショックを起こしたのか、軽いパニックを起こす。
「・・・あの、大丈夫ですか? お相手の方をお呼びしましょうか?」
「・・・いえ、大丈夫です。もう一度、確認しますけど、俺は、今のこの時間、Sub専用の大浴場に入っても良いんですよね? 警察に捕まったりしないですよね?」
星斗は念を押すように、ベテラン仲居に確認を取る。
「はい。ごっゆくりお寛ぎくださいませ」
ベテラン仲居の微笑みを見て、「分かりました」と、納得したようにSub専用の大浴場へとまた戻っていく。
星斗は脱衣所で勢い任せにスケスケ浴衣を脱ぐと、「知未さんも女と混浴してるんだし、俺だって、混浴してやるからな!」と、眞門に意味不明な嫉妬を燃やし、Tバックも脱ぎ捨てると、風呂場へと突き進んだ。
風呂場は内風呂がひとつと露天風呂がひとつあった。
大浴場と言っても、こじんまりとした浴槽で、内風呂も露天風呂も大人五人が足を伸ばして入れば、満杯になるほどの大きさしかなかった。
露天風呂の目隠しの塀の向こうには、山の木々の緑が伺えた。
星斗は内風呂に浸かりながら、大きな透明ガラスを隔ててある露天風呂の風景をぼんやりと眺める。
緑に囲まれた露天風呂の中におっきいおっぱい。
なんて、美しい風景なんだ。
・・・なのに・・・なぜっ!
なぜ、男にとって、こんなとんでもない最高のシチュエーションに出くわしているというのに、俺のちんこは何も反応しないんだーっ!
久しぶりに生で見たよ、おっぱい。
あんなに好きだったのに・・・っ。
今は何で、大きいチンコを咥えている方が嬉しいんだよ、俺っ!
あのSubの子のおっぱいと知未さんのチンコ。
今、目の前にふたつを同時に差し出され、『死ぬまでどっちかしか選べません。死ぬまでどっちを選びますか?』って尋ねられたら、俺は迷うことなく知未さんの大きい生チンコを咥えるだろう。
星斗は思わず遠い目をしてしまう。
あー、遠いところまで来たんだな―、俺。
知未さんに出会って、何もかもが変わってしまったんだ。
・・・確かに、もう、カッコつけてても意味ないのかも。
ちゃんと自分をさらけ出して、きちんと甘えた方が良いのかも。
山本さんの助言通り、与えて欲しものは与えて欲しいって言うべきかも。
だって、俺はもう普通じゃないんだ。
普通に憧れても普通にはなれないんだ。
普通に戻りたくても、もう戻れないんだ。
だって、あんなおっきいおっぱいの女の子と混浴している時点で、男として平気でいられるなんてどうかしてる。
俺はSubなんだ。
もうNormalじゃないんだ。
ロード中
ともだちにシェアしよう!