261 / 311
手ほどき
星斗は入浴を済ますと、一目散に桃の間へと戻ってくる。
桃の間には、大浴場から既に戻った眞門の姿があった。
「おかえり、遅かっ・・・」
「知未さんっ!!」
星斗が思いっきりふくれっ面を見せる。
「なに?」
「浮気してないでしょうね?」
「は?」
「女の人と混浴したでしょう!」
「へ?」
「おっぱい見たでしょう!」
「見たって言うか、目には当然入って来たけど・・・」
「変な気を起こしたりしてないでしょうね! と言うか、知未さんは元から男の子が好きなんですか!」
「はい!?」
「男の子が好きなら女性との混浴は許しますけど・・・どっちが好きなんですか!!」
「いや、どっちでも構わないよ。相手がSub性なら・・・っ」
星斗の迫力のある尋問に、眞門はタジタジになる。
「てか、星斗はどうなんだよ? 星斗こそ女の子が好きでしょ? おっぱい見なかったの?」
「見ましたっ。巨乳でしたっ!」
「じゃあ、変な気を起こさなかったの?」
「聞かないでくださいっ!」
星斗は恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
眞門が後ろから抱き着く。
「変な気を起こしたの?」と、悲しそうに聞く。
「聞きたいですか?」
「ああ」
「俺は今、目の前にいる巨乳の女の子より知未さんの巨根が見たいと思いました」
「・・・エッチ」と、なじるも眞門は嬉しそうだ。
「俺も星斗の小さな乳首を虐める方が好きだよ」
そう言うと、眞門の左手が背後から伸びて、浴衣の中に侵入すると、星斗の左胸の乳首を軽くつねる。
「あっ・・・」
星斗が小さく喘ぐと、熱く口づけを交わす二人。
口づけを終え、見つめ合うと、「カミソリをもらってきた。剃っていい?」と、眞門。
「・・・はい」
星斗は恥ずかしそうに答えた。
※ ※
二人揃って、桃の間にある浴室に移動すると、星斗のアンダーヘアは眞門の手によって、ゆっくりと丁寧に剃毛されていく。
「・・・剃ってるぐらいで、なんで、こんなに大きくしてるの?」
眞門が星斗の下腹部を見て、意地悪に口にする。
「だって・・・恥ずかしいって言うか・・・なんか、変な気分・・・パイパンにするのなんて初めてだし・・・」
本当は、知未さんに俺のちんこをじろじろと見られていることに興奮している。
今までこんな間近でじっと見られたことなんかないし・・・。
それに、毛を剃られることで何か心に隠してあるものまで削られていく感じがして・・・恥ずかしいなって感じると、興奮してしまう。
「・・・はい、終わったよ。綺麗になった」
「なんか変・・・」
星斗は毛が無くなった久しぶりの股間を眺めて、成長を遂げてから随分と見ていなかった景色に違和感を感じてそう洩らす。
「そう? 毛が無い方が似合ってるよ」
「それは俺のちんこが小さいから、子供みたいで似合ってるって言いたいんですか?」
「違うよ。なんで、俺のすることを悪い方にいつも取るかな。色気が増した」
眞門は立ち上がると、「わがままを聞いてくれてありがとうね、俺の可愛いSub」と、言って、星斗の額にご褒美のように軽く口づけをする。
「・・・あの」
「ん?」
「本当に嬉しいですか?」
「ああ」
「こっちの方が好きですか?」
「ああ、可愛い」
星斗の胸がキュンっと、ときめく。
「じゃあ・・・」
しかし、星斗は口籠る。
「なに、言ってごらん。この旅では隠さないって約束しただろう」
「じゃあ、このまま下着を履かないで、スケスケの浴衣だけを着て、夕食を食べに行っても良いですか?」
「どうして?」
「なんていうか・・・どうせ全てを見られるなら・・・知未さんの手で、知未さん好みのSubに仕立てられた姿を、誰でも良いから見てもらいたいっていう欲求が、俺の中にはずっとあるので・・・」
「そんなに俺のことが好き?」
「はい」
眞門は星斗を胸の中に優しく抱きしめる。
「ありがとう。すごく嬉しいけど・・・そこまですると、下品かな」
「下品?」
「セクシーなのは好きだけど、下品は嫌かな。自慢できるSubでいてくれるのは嬉しいけど、笑われてしまうSubは嫌だな。俺の調教がうまく出来ていないみたいに思われるし、それに・・・」
眞門は胸から放して、星斗を見つめる。
「下品になって良いのは俺の前だけ」
「・・・・・」
「だって、たっぷり調教してあげたいから」
「!」
あっ、あの苦手なDomの圧がまた来た・・・っ!
肌にじんじん来る・・・っ!
・・・知未さん、凄く怒ってる!
顔はにこやかにしてるけど、凄く怒ってるっ!!
「・・・じゃあ、あのTバックを履いた方が知未さん好みのSubですか?」
苦手なDomの圧にやられて、星斗は慌てて尋ねてしまう。
「ああ」
眞門はそう言うと、星斗の額にまた軽く口づけをした。
知未さんのDomの圧が急に収まった。
すごく温かいものに変わった。
・・・すごく嬉しいっ。
めちゃくちゃ褒められてるのが分かる。
俺、めちゃくちゃ褒められてるっ!
星斗は思わず眞門に抱き着き、胸に顔を埋める。
「どうしたの?」
「よく分かんないけど、嬉しくなって、こうしたくなった」
「そう」
「もっと褒めてもらえませんか」
「星斗はいつもお利口だね」
そう言うと、眞門は星斗の気が済むまで胸の中で優しく抱きしめてやった。
ともだちにシェアしよう!