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とまらない星斗

「あーっん、好きッ・・・好き・・・っ・・・・、ご主人様ーっん・・・、あっ、あっ、大好きっ・・・大好き・・・っっ!」 桃の間に連れて帰るなり、眞門は敷かれていた布団の上に星斗に押し倒されると、仰向けで寝転がった眞門の股間の上に星斗がすぐに跨った。 眞門の膨張した下腹部が星斗の尻に深く突き刺さると、星斗は恥ずかしがる素振りを見せる様子もなく、本能のままに腰を上下させて、大好きで堪らない眞門を味わっていた。 「見て・・・っ、見て・・・っ、ご主人様のおっきいので気持ち良くなってるお利口な俺を見て・・・っ」 「・・・あー、もう、なんでサブスペに入ると、こんなスケベなことになっちゃうのかな・・・普段じゃ、絶対口にしない言葉を口にするようになっちゃうし・・・」 眞門が右手を星斗の顔に伸ばすと、星斗は眞門の右手の親指を甘噛みするように口で咥える。 そして、まだ足りないと言わんばかりの物欲しそうな顔を浮かべる。 「サブスペは普通、感度が増す程度なんだよ・・・なのに・・・」 Sub spaceに入ると性の欲求を解放してしまうのは、星斗もまた、普段からSub性の欲求を閉じ込めてしまっているせいなのだろうか? そう思うと、眞門はやるせなくなり、不憫に思った。 「・・・ねえ、言って。お願い、言って」 星斗が甘くおねだりを始める。 「何を?」 「星斗は俺のモノだよって」 「そんなに俺が好き?」 「好き・・・っ、大好きっ! ご主人様が居てくれないと生きていけないっ」 星斗の自分に対する依存度が少し異常な気がすると、眞門は不審に思った。 しかし、Sub space中のSubの意識はDomに支配された悦びの夢の中にいるようなものなので、それを無碍に扱ってしまうと、Sub dropを起こしてしまう為、眞門はその思いは胸の奥に隠して、星斗に合わせてやるしかなかった。 眞門は星斗の首輪についてあるネームプレートから、【Tomomi´s Sub】と書いた紙を取り出す。 「あっ・・・」 星斗はすぐに悲哀の顔を見せる。 眞門は【Sub】と書かれた文字の部分だけを破り取りと、【Tomomi´s】の部分だけにし、それをネームプレートにまた戻してやる。 「これで星斗は完全に俺のモノだよ」 眞門が優しく口にしてやる。 「あーっん、ありがとうございますっ、ご主人様ーーっ!!」 星斗の上下する腰の動きが一段と激しくなった。 「俺・・・もう、このままが良い・・・、このまま、ずっと繋がっていたい・・・」 眞門は切ない顔を見せると、 「星斗はやっぱり隠れかまってちゃんだよな・・・」 と、寂しく口にした。 眞門には星斗のSub性の傾向がなんとなく見えていた。 「参ったな・・・厄介なSubに惚れちゃったな・・・Domへの依存度が高すぎて、愛した分だけ懐いてくれるけど、少しでも放置すればすぐに去っていく・・・常にかまってあげないとすぐにDomを見切る・・・」 伸びていた眞門の右手が愛おしそうに星斗の頬に触れる。 「依存度が高すぎるせいで、常にご主人様を見つけていないと生きていけないタイプのSub・・・」 眞門は切ない顔が深くなった。 「俺より優れたご主人様を見つけたら、すぐにそっちに懐いちゃうだろうな・・・別れを告げるのは星斗から。捨てられるのは間違いなく俺・・・」 眞門の寂しい独り言もサブスペ状態の星斗の耳には届かない。

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