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その後の食事処で
サブスペに入った星斗を連れて眞門が食事処を慌てて去ると、女将が諒の元へとやってきた。
「どう?」と、尋ねる女将。
「無理だよ。あのSubの子を誘惑するなんて・・・」
諒は困った顔を浮かべた。
「そもそも、あのふたり、仲良すぎるって。何より、眞門さんがあの子にベッタリで。キモいわー、同じDomとして。引くわー、なに、あのキモいニヤニヤ顔・・・引くわー」
「こら、お客様に向かってそんな失礼な事言わないのっ」
「3Pでも申し込めたらと思ってみたけど・・・それも無理そう・・・」
「そう。じゃあ、仕方ないわね。拓未様にはお役に立てなかったって伝えて、謝るしか」
「俺からも努力足らずで申し訳ありませんでしたって、拓未様に謝っておいて」
「分かった」
拓未が女将に願い出た件は、どうやら諒が引き受けたようだった。
「でも、あのSubの子。ここに現れた時、急激に雰囲気が変わっててびっくりした。さっき売店で話した時は、なんだ、この色気のクソもないNormalみたいなSubは・・・?って思って、どこが良いのか分かんなかったけど」
「それは私も思って見てたの。ここにお見えになって挨拶させた頂いた時ね、まあ、何ともあか抜けないお相手 との結婚を拓未様はお認めになられたのねって思ったんだけど、さっきのお仕置き用の首輪を付けて裸エプロンでここに現れた時は驚いたわよ。Sub性の欲求を垂れ流すだけ垂れ流してて。あれなら、どんなDomでも仕留められるわ」
「俺も、『このクソSub、思いっきり調教してやりてぇーっ』て、思いながらずっと眺めてたもん。普段はNormalみたいなクソつまんない風体してるのに、突如として躾けを欲するSubへと変わる不思議な魅力を持った子なのかと分かると、拓未様が息子の結婚相手としてお認めになられた理由が少し理解出来た気がする」
「でも、まあそれが分かったところで、明日お帰りになられるから、策を打つにもね・・・もうどうすることも出来ないけどね」
「まあ、お帰りになられるまで、チャンスは伺ってみるよ」
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