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新しい朝を迎えて③

星斗と眞門が朝食を済ませて、食事処から出てきた。 「朝はPlayなしなんですね」 至ってNormal的な旅館の朝食風景だったことに星斗はガッカリとした顔を見せる。 「まあ、リクエストすれば仲居さんたちも合わせてはくれるだろうけど、夕食時から散々Playしておいて、朝からまたPlayするカップルってのもね・・・なかなかの絶倫カップルで、ある意味恥ずかしいよね、それも・・・伝説になっちゃうね・・・」 「・・・・・」 しかし、星斗はどこか不満げな顔を見せる。 「・・・嘘!? まだ、やり足らないの!?」 不安そうな面持ちを見せて伺う眞門。 「そういうわけでは・・・ただ、ようやくこの特殊な状況にも慣れてきたから、昨日よりも断然楽しめそうだなって思ってたので・・・」 「そう・・・へぇー、昨日よりも楽しむつもりだったの・・・というか、昨日もひとりで結構楽しんでたけどね・・・なんて、マジか・・・」 星斗のSub性の欲望は計り知れない!? それが分かると、眞門は若干の恐怖を感じた。 「・・・あ、そうだ。ねえ、先に部屋に戻って帰りの支度しておいて。大切な話があるとかで、宿からの帰りに父さんの別宅に立ち寄る約束になっているんだ。その確認の電話を父さんにしてから、部屋に戻るよ」 「はい。・・・でも、それなら、部屋で電話すれば良いんじゃないですか?」 「え!? うん、まあ、それはそうなんだけど・・・色々とあって・・・だから、先に戻ってて」 「そうですか、分かりました」 眞門はそう言うと、星斗を残し、中庭の方へ向かって去っていた。 星斗は言われた通り、桃の間へと向かおうとするが、「お父様の別宅に立ち寄るのか・・・」と、呟くと、なにやら考えがあるのか進路方向の向きを売店へと変えた。 ※ ※ 眞門は中庭に出ると、また人がいないことを確認してからスマホを取り出し、拓未のスマホに通話を取り付けようと発信する。 拓未が目論んだ通り、星斗もこの宿に来て、徐々にではあるがSub性を解放し始めたことをいち早く報告しようと思った。 拓未に授けられた案を最初は渋ったが、とても良い結果で終わりそうで、そのお礼をどうしてもすぐに伝えたかった。 今まで邪険に扱ってしまった父を申し訳なく思う、反省からくる心がそう思わせた。 あなたのお陰で何もかもがうまくいきそうだ。 こんな愚かな息子にいつでも力になってくれる父親に、その感謝の気持ちを少しでも早く伝えたかった。 しかし、いくら呼び出しを続けても拓未が通話に出ることはなかった。 眞門は仕方なく諦めた。 立ち寄った際に、礼をきちんと伝えれば良いかと思い直し、電話を掛けることを止めた。

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