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もうひとつの理由
星斗は眞門に強引にDom専用の大浴場に連れてこられた。
そして、脱衣場に置いてある藤を使って編まれたスツールの上に腹を乗せる状態で倒される星斗。
眞門は棚に常備されているフェイスタオルを2枚取ると、星斗の右腕と左腕の近いところにあるスツールの脚にそれぞれ巻き付けて、星斗の動きを奪った。
「騙されたよ、星斗には。俺の支配物になれたってあんなに喜んでたのは何だったの?」
「誤解ですっ」
「Shut Up 」
星斗はCommandの支配によって、黙るしかない。
「さすが、依存系のSubだよ。Domなしじゃ生きていけないもんな」
眞門はそう言うと、星斗のズボンと下着を勢いよく下げて、尻を丸出しにした。
「!」
「このスケベな尻に大好きな文字を書いてあげるよ。『公衆便所』って。で、ここに置いて帰ってあげる」
「!」
「相手なら誰でも良いだろう。俺じゃなくて」
「違うっ、聞いてくださいっ、俺はそんなつもりで売店に行ったわけじゃないんですっ! 俺はお父様の・・・」
「だから、言い訳は聞きたくないって!」
稀に見るDom性の暴走に飲まれている眞門は、星斗の話に耳を傾けようとしない。
それほど、浮気しようとしていたという思い込みが、眞門を狂わしていた。
眞門はフェイスタオルをもう一枚取ると、
「良いこと教えてあげるよ。俺が今まであえて星斗に教えなかったSubの悦び」
と、口にすると、手に持ったフェイスタオルで星斗の両眼の上に被せて、フェイスタオルの端を後頭部で結ぶと、星斗から視界を奪った。
「!!!」
星斗はその瞬間、異常に怯えると、
「イヤだっ、知未さんーーーっ!!」
と、絶叫に近い助け声をあげた。
「Sh 」
星斗はCommandに従って、黙るが、恐怖に怯えているのが分かるぐらい呼吸が浅くて短い。
星斗が視界を奪われたことに、どれだけ恐怖を感じているのかが伝わってくる。
「いいかい、星斗。
目隠しはSubにとって悦びのそのものだ。Domの顔色を伺わないお陰で、本来の自分の素直な姿をさらけ出せることが出来るんだよ。
視界が奪われることでSubの自分が何を求め、何に最も興奮するのかが分かるんだ。
だから、俺はそれを教えなかった。
星斗に他を見て欲しくなかったから。
でも、もういいよ。
好きにすれば」
「知未さん・・・イヤだ・・・」
「いいから、想像してごらん。
自分はこれからどんなことをされてしまうのか?
その恐怖に興奮しないかい?
どんな相手にどんなところを触られてしまうのか?
どんな痛みやどんな快感を味わうのか?
どんな下品な行為をされて汚されてしまうのか?
星斗は今、どんなことをされたいと想像してる?」
「・・・ハアっ・・・ハアっ・・・ハアっ・・・」
しかし、星斗の呼吸は浅くて短い。
まだ、目隠しには慣れずに、恐怖を感じているようだ。
「誰を想像した?
あの若い男の仲居か?
それとも、兄貴過保護の弟か?
うちの権力自慢の父親か?
それとも、他の誰かか?
何人に犯されたい?
ひとり? ふたり? 何百人?
ここなら、好きなだけ犯してもらえるよ」
「・・・お願いします」
「想像できたのかい?」
「・・・ハァ・・・っ、ハァ・・・っ、今すぐ目隠しを外してくださいっ」
「は?」
「いいから、早く外してくださいっ!!」
「何様のつもりだ、Domに逆らうなんてっ」
「そうじゃなくて・・・お願いだから・・・外して・・・お願い・・・イヤだ、これ・・・本当にイヤだ・・・」
星斗は嘆くように訴えると、今度は泣きべそをかき始める。
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