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食事処から桃の間へ
眞門が星斗を抱きかかえたまま桃の間に戻ってくると、部屋には仲居の手によって、二組の布団が既に敷かれていた。
眞門は抱きかかえた星斗をゆっくりと布団の上に下ろすと、そのまま押し倒す。
眞門が星斗を熱く見つめる。
「で、どうするの?」
「え?」
「帰りたい。抱いて欲しい。そのおねだりに応えて、抱いて部屋まで戻って来てあげたよ」
「・・・・・」
星斗はキョトンとする。
「・・・ン?」
「あれはそういう意味じゃなくて・・・」
「じゃあ、どういう意味?」
眞門はわざとらしく、分からないと首を捻る。
・・・これ、わざと分からないふりをしているってことなんだよな・・・?
眞門のいつもの意地悪だと勘付く星斗。
いつもはどうすれば良かったんだっけ・・・?
いつもは・・・?
って、最近はほとんど、知未さんに無理やりそう言う展開に持っていかれてたからどうして良いか分かんないや。
Playってどうすれば良いんだっけ?!
星斗は勝手が分からず、どうして良いか分からない。
「・・・あの、こういうのってお約束じゃないですか?」
「お約束?」
「Subが求めたらDomが与えてくれるっていう」
「ああ。だからお願い通り、抱き上げて、部屋に連れて帰って来た」
「そういう意味ではなくて・・・」
「じゃあ、どういう意味? きちんと教えてくれないと分からないよ。星斗は今、何を望んでるの?」
「・・・・・」
星斗はまた戸惑った。
こんな落ち着いたPlayをするのはいつぶりだっけ?
知未さんが落ち着いた様子でPlayするのなんていつぶりだ・・・!?
知未さんが暴走していない状況の時って、俺、どうしてた・・・!?
どうすればPlayが始まっていくのか、全然分かんないっ!
「・・・あの、俺・・・知未さんが欲しいです」
星斗はとりあえず、思うままを口にしてみる。
「うん。星斗にならいくらでもあげる」
「・・・・・」
だから、違うんだって!!
もっと、ガーッと強引に来て欲しいのっ!
がっつくように、力でねじ伏せるみたいにっ!
俺のことを支配したくてしたくてたまらない!!っていうやつが今すぐ欲しいの!!
戸惑う星斗を見かねたのか、眞門が声を掛ける。
「星斗がきちんと教えてくれたら、なんでも与えてあげる」
「・・・・・」
「だから、きちんと口にして。星斗は何が欲しいの?」
「・・・・・」
「Say 」
困ってる様子を見かねて、眞門は仕方なくCommandを発動してやる。
「俺は・・・」
「うん」
「俺は・・・」
眞門は星斗の言葉をじっと待ってやる。
「・・・犯して欲しい」
星斗はそう言うと、とても恥ずかしそうにして目を潤ませた。
「・・・今すぐめちゃくちゃに犯して欲しいっ! 俺以外は必要ないだろうってぐらいに知未さんに犯して欲しいっ! 俺が何者か分からなくなるまで犯して欲しいっ! そして、俺が知未さんのモノだって分からせて欲しいっ!」
「分かった」
眞門は優しく微笑むと、
「良く出来ました」
と言って、星斗の額に褒美を与える様にまた軽く口づけをした。
「じゃあ、声が枯れるまで啼いていいから」
「!」
その低音と共に、ニヤっと冷ややかな笑みを浮かべた眞門に星斗はDomの圧を感じてゾクゾクとした。
眞門は星斗の両足を持ち上げると、腰の下に枕を忍ばせて、星斗の腰の位置を高くしてやった。
そして、星斗の股の間から星斗の上に負い被さると、星斗の体と自身の体を密着させた。
「ああーっ!」
星斗が声を上げると共に、眞門の肉棒が星斗にいきなり挿入された。
「このままで犯してあげるからね」
星斗の右の耳元で囁く眞門。
星斗を裸にすることなく、Tバックの尻の割れ目に食い込む紐の生地を少し横にズラすことで、星斗の尻に自分の硬くなった肉棒を勢いよく挿入した眞門。
「ほら、俺にしがみついて。"俺"に犯されたいんでしょ?」
「はい」
星斗は言われた通り、両腕を眞門の脇の下から背に向かって出すと、眞門に強くしがみついた。
「イクまで放しちゃダメだからね」
「はい」
「しっかり俺を感じてね」
眞門の腰がゆっくりとストロークし始める。
「あっ・・・あっ・・・ンっ・・・」
星斗から甘い声が洩れだす。
「奥を犯して欲しいの? それとも浅めが良い?」
「・・・・・」
「ほら、きちんと答えないと止めちゃうよ」
「・・・浅め」
「浅めが好きか?」
「後で奥も・・・」
「フフッ、欲張り」
眞門はそう言って軽く笑うと、星斗の頭に軽く甘い口づけをする。
「でも、きちんと言ってくれて嬉しい」
眞門は体をゆっくり動きながら、
「・・・ここ?」
と、星斗が望んだ位置を確かめる。
「そこ・・・っ」
「もっと強く? それとも優しく?」
「・・・・・」
「ほら、きちんと答える」
「・・・もう少し強くが良いです」
「激しく?」
「うん・・・支配されてる感じが好き」
「・・・分かった」
眞門は素直に答えたことを褒める様に優しく甘いキスを星斗のこめかみ辺りに何度かしてやると、星斗の望み通りに星斗の体を激しく犯し始めた。
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