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進むべき道⑥

眞門が拓未との通話を終えると、「知未さん」と、風呂上りのパジャマ姿の星斗がリビングにやってきた。 「どうしたの?」 星斗はバスタオルを頭から被る格好で顔を隠し、なにやらモジモジとしている。 「・・・俺、自分の性癖が段々と分かってきたんです」 「うん」 「その・・・知未さんの所有物になりたいって・・・」 「うん、さっきの話を聞く限り、そうみたいだね」 「だから、もっと束縛が欲しいというか・・・」 「うん。だから?」 「・・・・・」 星斗はまだモジモジとしている。 「・・・どうしたの? なんか変だよ」 「首輪だけじゃ物足りなくなってるって言ったら、怒りますか?」 「へ・・・?」 眞門は何やら考えると、「あー、やっぱり、タトゥーを入れたいってこと?」と、尋ねる。 星斗は大きく首を横に振ると、「そうじゃなくて・・・」と、またモジモジとした様子を見せる。 「なに? 分かんないよ、言ってごらん」 「・・・チンコに首輪をまた付けてもらっても良いですか?」 「・・・え?」 星斗はパジャマのズボンと下着を足首まで下ろすと、「ここに、また、あの首輪(リング)をつけて欲しいんです」と、頭から被せたバスタオルで顔を隠したままでおねだりした。 「ねえ、それ、どういうことを口にしているか、自分で分かってる?」 星斗はコクリと頷いた。 「一度、経験してるから分かってるよね? 俺に射精管理をして欲しいって言ってることになるって」 また、コクリと頷く星斗。 「俺がポンコツDomだってことをもう忘れたの?」 「へ?」 「そんなDomに射精管理をされるのがどれだけ危険かってこと分かってお願いしてるのかな?」 「・・・はい」 「へえー、本当に分かってんだ」 「!」 星斗は眞門のDomの圧に包まれたことを感じた。 調教してもらえるんだ。 星斗は眞門の反応を素直に喜んだ。 「じゃあ、教えて。どうして、あのリングを付けられたら、ご主人様に射精管理されることになるのか?」 「リングが邪魔をして自分で扱けなくなるから。俺は自分の手ではイクことはできなくなります。なので、必然的にご主人様に定期的に抱いてもらわないと、俺の性欲は溜まったままになり、Subのストレスを抱えて大変なことになります」 「そうなるよね。じゃあ、これから治療法を見つけようとしている俺がだよ、もし、長期出張とかで家を長期間空けなきゃいけなくなった場合はどうやってお利口にしてお留守番するつもりでいるの? さっきの話を信じるなら、浮気出来ないんだよね? まあ、浮気した時点でぶっ殺すけどね」 眞門は星斗の顎を掴むと、グイっと上を向かせ、自分の顔を見つめさせた。 その瞬間、頭に被っていたバスタオルは首にへとずれて、掛った。 「ねえ、そこのところをどう考えてるか、ちゃんと教えてくれない?」 「それは・・・」 星斗は想定していない質問だった。 「俺のトラウマは知ってるよね?」 「はい」 「うちの父親が道具を使って、Normalの母親をいたぶっていた現場に出くわしたトラウマ」 「はい」 「俺さ、それを目撃して以来、Subに道具を使うってことにどうしても抵抗が出来てしまってさ、極力、道具を使うPlayはしないようにしてきたわけ」 「はい・・・」 「でも、愛するSubの願いを聞き入れるとなると、それを解禁しなくちゃいけなくなるわけ」 「どういうことですか?」 星斗には眞門が何を言いたいのか分からない。 「じゃあ、今から言うことを復唱出来たら、チンコにも首輪を付けてあげる」 眞門はそう言うと、意地悪そうにニタっとした。 「渋谷星斗はご主人様からのディルド調教を受けて、アナニーが出来るようになります!」 「!」 「ほら、早く復唱して。したら、ご褒美に付けてあげるよ」 「俺、そんなことするつもりは・・・」 「何度も教えてるよね? おねだりする時は交換条件を提示しろって。まさか、交換条件もなしにおねだりしてきたの? 星斗の射精を管理する俺のメリットってなに?」 「それは・・・」 「星斗に恥ずかしいことをしてもらえないんじゃ、こっちは何にも面白くないじゃん」 「でも、パートナーであるSubがお願いしているんですよ。それだけで悦びとかないんですか?」 「あるよ。今、めちゃくちゃ可愛いって思ってる。だから、こうやって虐めてるじゃん」 「!」 眞門のニヤニヤとする嬉しそうな顔に星斗はSubの悦びで震えた。

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