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第37話❀

 あっという間に、冬休みは終わった。約二週間と短かったせいもあるが、それだけではない。  毎日、鴫原のことを考えてしまっていたせいで、何をするにも捗らず頭もぼーっとしていたのだ。  時折くる鴫原からのメールも、返信していいかわからなかったけれど、無視するのは心苦しくてそれなりの返事は返していた。  このまま鴫原と関わらずに大学生活を送った方がお互いの為になるのではないか、という考えも浮かんだ。  気持ち悪がられて友達という関係までもが終わるよりは、廊下ですれ違って話すくらいの関係にはとどめておきたいと思った。  そうしてもやもやした気持ちのまま、休みは明けた。    二週間ぶりの並木路に積もった深雪を踏んでいる間も今日のことを考える。    図書室に言ったら鴫原は来るだろうか。もし来たら、どうする?  メールの文章に違和感をもたれていたら?  もし口が滑って自分の想いを吐いてしまったらーー。    朝からズキズキと痛む頭のまま授業を受け、一限目、そして二限目が終わった。    ああ、ついにこの時間。    鴫原に、会いたい。    でも、何か失言してしまいそうで怖い。何より怖いのは、鴫原の反応だった。  考えすぎだと思われるかもしれないが、自分にとっては深刻なことなのだ。  取り敢えず図書室の近くまで行って様子を見てみよう。  そう思って立ち上がった時だった。  ぐらっと視界が揺れ、途端に世界が暗転する。 「ーー」    近くで生徒の悲鳴が聞こえた気がした。

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