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第6話
体験入部に集まった新入生は、僕を含めて10人ほどだった。
ほとんどの生徒が、高校に入る前からバレーボールをやっていたようだ。初心者は、僕とせいぜいもうひとりくらいだ。
しかし、そんな中でも僕はやはりずば抜けて背が高く、上級生たちの視線を一身に集めていた。
分不相応な期待をひしひしと感じ、緊張のあまりガチガチに固まってきた時、背中をぽんと叩かれた。
「ひゃああ」
「何だよ、その声」
クスクス笑う声に振り返ると、僕の肩より少し下に柔らかくうねった髪、そのさらに下に目をキラキラさせた小さな顔があった。
「お前、でかくてすっげーかっこいいな!」
嬉しそうな笑顔で僕にそう言ったその人は、バレー部員としてだけでなく、一般的な男子高生としても小柄で、どこか小動物を思わせる可愛らしい雰囲気を持っていた。
いきなり親しげに話しかけられて戸惑う僕を尻目に、彼は居並ぶ新入生に向かって、
「1年生諸君!俺が男バレのキャプテンだ。ちっこいからってナメんなよ!」
と言うと、ハハハー!と明るく笑った。
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