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第20話

試験期間中は部活は休みになる。 だが、日頃充分出来ない勉強の遅れを取り戻したり、自主練をしたりして、暇にはならない。その上、部活が休みになると先輩に毎日は会えなくなり、寂しい思いをしていると、試験休みの前日、先輩から呼び出された。 「お前、明後日のテスト、準備出来てる?」 自主練をしていた生徒もみんな帰り、誰もいない体育館の用具室で、前のキスから3日ぶりの埋め合わせをするように長く唇を合わせた後、跳び箱に二人で腰掛け先輩の肩を抱くと、僕の胸に寄りかかりながら先輩が聞いた。 実は明後日のテストは一番苦手な古典なのだが、迷わず答えた。 「はい、大丈夫だけど、どうして?」 「…」 「先輩?」 先輩は肩に回したのと反対の僕の手をいじいじと弄びながら、しばらく黙っていたが、その指を自分の指に絡ませてギュッと握って言った。 「あ、明日、お前んち行っていい?」

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