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第24話
「先輩…、すみません。僕、初めてなんで、今日は…まだ」
先輩はゆっくり起き上がって僕の方を向くと、ヘヘッと苦笑いした。
「…実は、俺もかなり怖かったんだ。何しろ男とやるのは初めてだし、挿れられるのもなあ」
そう言うと、僕の顔を両手で挟んで鼻先にキスをした。
「ゆっくりやろ。これから長く付き合いたいから」
「で、お前、初めてってホント?」
「はい、女の子ともないです」
「…そっか」
先輩は僕の頭をわしゃわしゃとなでると、今度はうれしそうな笑顔を浮かべた。
その笑顔を見て、僕は自分の不甲斐なさに胸が締め付けられそうになった。
その日の夜は、先輩の体を思い出してムラムラしたり、先輩を満足させてあげられなかったことに落ち込んだりしてほとんど眠ることができなかった。かと言って試験勉強が手につく訳でもなく、翌日の古典のテストは散々で、生まれて初めて赤点の危機に陥ったのだった。
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