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第52話「卒業」

温かくて、優しい気がする。 こんな事を考えるなんて馬鹿らしいけれど、愛されてる、と実感できる瞬間のひとつだ。 「久遠んっ」 「ん、ふ、、キツい、義人」 滑るように、けれどゆっくり自分の中に入ってくる熱を彼は出来る限り自分なりに力を抜いて、大きく呼吸をしながら受け入れていく。 ずっと欲しかった。 そう考えると穴が締まってしまうから、できる限り「力を抜け」と自分に言い聞かせている。 「義人、んっ、、可愛い、綺麗だ」 「バカ、あっ、ん、デカい、んぁあ」 「っ、、義人、中、うねってるよ」 「ひあっ、はあっはあっ、好き、久遠、好きっ、はあっはあっ」 ずぶぶ、と腰を落とすたびに奥へ奥へそれが入ってくる。 痛みはない。 潤滑ゼリーが中の滑りを良くしてくれていて、藤崎のそれは引っかかったり止まったりせず、腰を落とせば落とすだけ奥へ入ってきた。 ゴム越しに伝わってくるお互いの熱に絆されながら、義人は藤崎の首の後ろに腕を回して彼に抱きつき、藤崎は義人の腰を掴んでいる。 プールに入った後の涼しさがあって付け忘れていた冷房を今更付けておけばよかったと後悔した。 熱い。 沖縄独特の熱気とセックスの熱気で茹で上がりそうだ。 「ん、ぁあっ、は、入った?」 「もう少し頑張って」 「ん、んふっ、んっ、、ぁあッ!」 ズンッと藤崎が急に腰の奥を突いてきて、義人の中には彼のものが全部収まった。 圧迫感に愛しさすら感じながら、義人は藤崎の太ももの上に座り込み、必死に息をして自分の尻の穴にはまった彼の性器の形を確かめるように穴を締めたり緩めたりしている。 「ぁん、深い、あん、んっ」 「苦しい?ごめん、痛くなかった?」 「だい、じょうぶ、、ごめんね、できなくて、ごめん」 「義人、謝るのやめて。今日多いよ?ね、やめて」 謝り癖はまだ治らない。 自分で最後まで挿れられなくてごめんと言う義人に優しく声をかけると、藤崎はコツン、と彼の額に自分の額を合わせた。 「ん、んっ、キスして、キスして欲しい、久遠、キス、」 「ん、べろ出して」 「んぇ、」 「可愛い」 ゆるゆると慣らすように腰を動かしながら、藤崎は義人の差し出した舌にしゃぶりつく。 舌先や表面、裏側まで舐め上げて揉み解すようにちゅっちゅっと吸い上げ、彼の口内に舌を入れて上顎をくすぐる。 そのたびに義人の後ろの穴が性器を締め付けてきて気持ちが良く、キスはしばらく続いた。 「ん、ぷはっ、ん、、はあ、、」 やっと長いキスが終わると、鼻先を擦りながら呼吸をして、2人は黙って見つめあった。 藤崎の目は深い茶色をしている。 対して、義人の目は茶色と言うよりは黒い。 光の角度を調節しないと奥の見えない、けれど澄んだ純粋な黒色の瞳だ。 「動くよ?」 「ん」 見つめ合ったまま確認を取ると、藤崎がトンッと上に腰を突き上げる。 「あっ」 ゴリ、と亀頭が義人のいいところを擦り上げ、思わず昂った声が漏れた。 「気持ちいい?」 ピンッと立った義人の乳首に吸い付く。 「んアッ、乳首、だめ、ぁあっ」 舐め回しながら腰の奥を軽めに突くと、義人はギュッと目を閉じてその快感を受け入れ、脚の指を開いて耐えた。 力をどこかへ逃さないと、藤崎の背中を掻きむしりそうだった。 彼の性器は再び勃起して、藤崎が穴の奥を突き上げるたびにぷるんっと2人の腹の間で揺れている。 「好きだよ、義人。可愛い」 「んっあっ、はあっ、奥、すごいっ、奥まで来てるっ、あぅっ、あっ」 パンパンに膨らんだ藤崎の性器が中を擦り上げる。 締め付けて密着させた肉の壁を擦り上げられて、義人はひんひんと声を漏らすしかできなかった。 振り落とされないように必死に藤崎に抱きつき、たまに彼の視線に誘われてキスをする。 それで飲み込み切れなかった唾液が口の端からこぼれると、世話焼きの藤崎が首筋やら顎やらに舌を這わせて全部舐めとってくれた。 「んんっ、あっ、やっときた、んっ、んっ!」 「バイブくんも、好きになれそう?」 「いやだ、久遠の、おちんぽっんっ、これ、んっ、1番気持ち良い、これじゃなきゃ、ぁんっんっ!」 声も、音も、息遣いも、何を話しているかももう気にならない。 気持ちの良さだけ永遠に貪って奪い合い、与え合いたくて、義人は気が付けば脚をM字に開いて立たせ、必死に藤崎の動きに合わせて腰を落としていた。 「義人、可愛いっ、、ん、そんな格好してくれるの?んっ、嬉しいなあ」 「久遠っ久遠っ、もっとハメてっ、ぅあっ、あっ!突けよぉ、んんっ、奥まで、もっとッ!!」 義人の煽りに表情を歪ませて、藤崎は彼の腰を掴んで自分が奥を突き上げる瞬間にグッと下に落とす力を加勢させる。 ズポッと奥の奥まで当たるようになると、急に義人の穴の入り口の締め付けが強くなった。 「締め過ぎ、んっ、ハアッ、」 「い、くっ、あっあっ、すごい、あっ、イク、かも、んんっんっ!」 3回目の射精感が込み上げてきて、義人はだらしなく舌を垂らして言う。 その舌にしゃぶりつきながら、藤崎はシーツの上に転がったままだったオナホをヒョイと持ち上げた。 「な、にっあんっ、そこ、あ、やめ、わざと、外すなよ、んあっ」 「いいとこ突いたら、っん、イくんだろ?まだダメだよ」 「バカ、バカ、バカッ!そこじゃない、もっと、ンッぁあっ!奥の、ゴリってするところおっ!」 藤崎が急にいいところを突かなくなり、物足りなくなった義人は自ら激しく腰を振る。 しかし上手くはなく、1番好きなところにはどうしても当たらなかった。 義人の腰から手を離し、藤崎はゼリーのボトルの中身を少しだけ手の上に出し、でろでろになったそれを義人と自分の腹の間でそそり立っている彼の性器に押し付け、包み込んで扱いた。 「あっ?あっ!?」 「義人、オナホに挿れてみよっか」 「や、なに、なにっ!?ぁあっ!」 「義人の童貞貰ってもらおうね」 「ぁああっ、や、んはっ、あっ、気持ちいっ」 にゅぅう、とゼリーを纏った硬い性器がオナホの柔らかい肌に包み込まれていく。 「こえ、あにっ、あっ、しゅごっ、んっ」 「んー、べろしまえなくなった?可愛い」 唾液がダラダラと義人自身の腹に垂れていく。 尻の穴には藤崎の性器がはまり、隙間なく中を満たして激しく突き上げてくる。 一方で、どこにも挿れた事のなかった性器は初めて女性器を模したオナホの中に無理やり挿れられゴリゴリと中で揉まれて、義人は意識が飛びそうなくらい強い快感の波に飲まれてしまっていた。 「やにっ、こ、あんっ、やえれっ、あっ」 「これ、中にいっぱいつぶつぶついてるんだよ。気持ちいい?」 「ぁあうッ!だめ、ダメいく、イクッ」 「まだ頑張って。いいところ突いてあげるから」 「ぅああっ!?」 初めは分からなかったが、性器が全部入ると確かにつぶつぶの壁に囲まれているのが分かる。 亀頭の先端にも、カリ首にも、裏筋にもゴリゴリとそれが押し付けられ、勝手に擦られて、義人はそれだけでイキそうだった。

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