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第19話

電車に乗る前、創士様に連絡をした。 「これから電車に乗って帰ります」 「分かった。気を付けて帰っておいで」 「……はい」 電話の向こうから聞こえる優しい声に胸が苦しくなる。 昨日、創士様についた嘘を抱えて帰る。 こんな状態で会うのは怖いけど、それ以上に会いたい気持ちが強い。 創士様に会うまでに気持ちを整理して、いつもの僕に戻るんだ。 パシンと両手で頬を叩いて気合いを入れ、ホームに滑り込んできた電車に乗り込んだ。 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎ 改札口で僕は固まった。 「おかえり、柊」 「そ、うし様…」 改札の外に、創士様が待っていた。 ただそれだけで動揺した。

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