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第35話

「ぁ…うっ…んんっ…」 自分から挿れたのに、その圧迫感に途中で止まってしまった。 膝の力がほとんど入らなくなったため、浴槽の縁に手を掛けて身体を支える。 「……柊」 心配そうに見上げる創士様に腰を掴まれブルリと震えた。 創士様の先端が、僕の中の良いところに当たっていて、少し動くだけで甘い痺れが腰に響く。 「そ、うし、さま……あっ…まだ動か、ないでくだっ…あ、あっ…」 「くっ…もう、待てない」 そう言うと、創士様は掴んでいた腰を一気に引き下ろされた。 「んああっ…」 「……はっ、これで全部入った」 目に星が飛ぶほどの強い快感で中も外も痙攣する僕の身体を、創士様がキツく抱きしめた。 創士様の首に手を回しピッタリとくっつくと、トクトクと同じリズムを刻む鼓動を強く感じる。 その心地よさに、少しの間、創士様も僕も動かなかった。 「動いていいか?」 耳のすぐ側から声を掛けられ、温もりとかかる吐息に小さく震えた。 そのまま耳朶を食まれ答えられない僕は小さく頷くが、創士様は動かなかった。 「んっ…」 「ちゃんと声に出して教えて」 「ひゃぁっ」 耳の中に舌を突き入れられ舐められると、その刺激で益々言葉が紡げなくなる。 今日の創士様はどこか意地悪だ。 肩に手を置いて身体を離し睨むと、驚いた顔をする創士様と目が合う。 「柊?……っ!」 顔を寄せて耳朶を齧るとビクッと肩が跳ねた。 甘噛みだったから血は出なかったけど、僕が創士様にされたように舐めると、くすぐったいのか肩を竦めた。 更に耳全体を咥えて舐めると「んっ」と創士様から甘い声が漏れ、すぐに身体を引き剥がされた。 「柊」 「意地悪されたから仕返しです」 珍しく真っ赤な顔になった創士様に僕は満足気に微笑む。 肩に乗る手を取り腰に持っていった後、両手で創士様の顔を包みキスをした。 「創士様、動いて下さい。僕…もう我慢できません」 腰を前後に動かすと、中が痒いようなもどかしい疼きが走り吐息が漏れた。 「くっ」 それが合図になったのか、創士様の手に力が入るのを感じた。 「一度出したら中に戻るぞ」 「んっ…は、あああっ」 言い終える前に動かれて、僕は堪らず声を上げてしまった。

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