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第40話
「柊。私もばあさんも、お前が何に悩み苦しんでいることしか分からない」
「たぶん、私たちの力ではあなたを助けることはできないことよね…」
2人の言葉に首を横に振って否定する僕の肩をおじいさんが掴んだ。
「彼に隠し通すなら、ちゃんと食べて、笑いなさい。それでも辛いなら『辛い』と言いなさい」
「おじい、さん」
おばあさんが僕の手を取って、きゅっと握った。
「私たちはね、願っているのよ。柊が、幸せになる道を自ら選ぶことを」
「おばあさん…」
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「さあ、続きをしよう」
「うっ」
リードを引っ張られ、苦しくて声が漏れた。
逢坂様は創士様と一緒に仕事でヨーロッパに行く予定だった。
それを、トラブルがあったと理由を付けてキャンセルをして日本に残った。
その後、僕を呼び出し、新幹線の改札を出てきたところを捕まえて、この家に連れきた。
「柊の綺麗な肌に赤い首輪がよく似合うね」
「っ…」
逢坂様は首と首輪の隙間に指を入れなぞる。
ここ数日、激しく揺さぶられたことで擦れて赤くなった首筋は触られるとピリリと痛んだ。
痛む度ピクリと眉が動く僕を逢坂様は楽しそうに見る。
ここに着いて服を脱がされた僕は、首輪の他に手足に枷をつけられた。
逢坂様は、首輪と枷で動きが制限された僕にオモチャを使って遊んだ。
「痕は付けないって、約束」
「ああ、そんなことはいいだろう。彼はあと1週間帰ってこないのだから、今日までは付けさせてよ」
「やっ、い゛っっ」
逢坂様は首輪をずらし僕の赤くなった首筋を舐めて噛み付いて、また一つ痕を付けた。
「ほら、薬を打つよ。一緒に楽しもう」
そう言うと、腕に注射を打たれた。
その後、口移しでウィスキーを流し込まれた。
「あ…あ…」
少しの間、喉から胃にかけて焼けつくような感覚に耐え、治った頃には背中がゾワゾワしてきた。
逢坂様はその瞬間を見逃さずに左右の手足を繋げると細長い棒状のオモチャを取り出した。
「今日はこれで遊ぼう」
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