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第42話
創士様の帰国予定の2日前。
漸く解放された。
5日前、約束通り首輪と手足の枷は外されたが、それは一時だけだった。
擦過傷は薬を塗って包帯を巻き、その上から再び首輪と手足を付けられ、結局、包帯交換の時以外で外してはくれなかった。
ただ、痕を付けられることはなくり、使われる媚薬も注射から経口薬や座薬に変わった。
逢坂様は、最初の一週間は夏休みを取っていたようで、昼夜問わず、気まぐれに部屋に来てはオモチャを使って好き勝手に僕の身体で遊んだ。
その後は日中に会社に行ってるため、朝晩に現れた。
特に、朝、創士様から電話が来ると必ず邪魔をし、罪悪感に苦しむ僕を見て笑いながら何度も中に注いだ。
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家に帰り着いた僕は真っ直ぐバスルームに行き身体を洗った。
洗っても洗ってもあの手の感触が拭えず、うっすら残る噛み跡や注射針の痕に罪悪感が増した。
気付くと、1時間以上身体を洗い続けた。
その後、自室に戻り荷物を全て出し、服は全て洗濯をした。
逢坂様から渡された分厚い封筒はクローゼットに入れっぱなしのバッグに入れた。
荷物を片付け終えると、掃除を始めた。
自室から始め、家中掃除をした。
全て終わる頃には陽も落ちたのて、買い出しに出かけた。
2週間以上家を空けていたから冷蔵庫の中はほぼ空っぽだったからだ。
明日から通いの家政婦さんがまた来てくれるから、今晩のカップラーメンと明日の朝食用のパンと牛乳だけを買った。
「こんな姿、田村は笑いそうだけど、創士様には怒られそうだな」
そんなことを口にして晩御飯のカップラーメンを食べた。
夜は創士様の寝室で眠った。
昼間に換気をして、シーツもカバーも付け替えたため創士様の匂いはほとんどしなかったから、クローゼットからシャツを一枚借りた。
クローゼットの中で創士様の匂いが移ったそれを抱きしめて眠った。
朝目覚めるとシャツはくしゃくしゃになっていたので洗濯をした。
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