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第4話

いや、何で俺が双子の内の一人に組み敷かれてんだよ?! 双子の、こっちは確かしょうだったはず。 「おい、退けって。お前、確かしょうだったよな?こんなおじさん先生を困らせるなよ。合鍵作った事とか、色々全部なかった事にしてやるからともかく退いてくれ!」 「せんせー、やっぱり優しいよね?それに流されやすい…。せんせー、僕達の事って、やっぱり覚えていないよね?」 「何の話だ?俺はお前達とは初めてまともに顔を合わせたと思っていたけど…」 しょうと櫂を組み敷いているすぐるが顔を見合わせて、少し悲しそうに頷き合った。 「仕方ないよ、あの時は僕達もバレないように顔を隠していたし。」 「そうだよね…学校で会っても全然反応がなかったから、気が付かれてはいないって覚悟はしていたけれど、やっぱり少し寂しいな。」 俺の上でしょうががっくりと肩を落とす。 「せんせー、しょう達の事、前から知っていたの?」 櫂が俺に向かって質問して来る。 「だから、覚えていないんだって。悪いんだけど、どこかで会ったっけ?」 「ゲイパーティー…去年のクリスマス。」 しょうの呟いたその二つのワードで一気にあの日の事を思い出した。 俺の行きつけのゲイバーの馴染み客がクリスマスにパーティーをやるから来ないかと誘ってくれた。 ここ数年は恋人もなく、学校の忙しさもあってそんなモノとは無縁だったが、ちょうど予定もなかったので久し振りに行く事にした。 しかし行って見ると、個人のパーティーとは思えない程の規模に圧倒されて一人、壁の花を決め込んでいた。 何かおかしい動きにふと横を見ると、明らかに未成年とわかる二人組が数人の男達に囲まれ、どこかに連れて行かれそうになっていた。 放っておいてもいいのだが…それも人生経験だしな。 だがやはり教師として、自分の教え子達と同世代の子がこれから何をされるのか分かっていながら、そのままにしておくと言うのはどうにも夢見が悪い。 ちょっと早いが、クリスマスだし。 おっさん先生サンタが助けてやるか。 それで、二人をうまくそいつらから助けてやったんだ。 確か二人共パーカーを目深に被っていて、しかも照明も落とされていたので、顔はあまりよく見えなかったし、特に見ようともしなかった。そう言う場所だしな。 何度も頭を下げて扉から出ていく二人を、今夜の相手探しも不漁で終わったなってな事を考えながら、手を振ったような気がする。 「あれが、お前らだったのか?!」 しょうが先ほどまでとは打って変わって、嬉しそうに俺の胸に顔を埋めた。 「せんせー、思い出してくれたの?!僕、ずっとせんせーにお礼を言いたくてさ。実はあの後も時々、せんせーの行きつけのバーの前までは行ったんだ。だけど、流石に中には入れないし。それで、外で待っている内に、せんせーが実は受けって分かってさ…僕、本当に嬉しかったんだよ?僕達って、どちらかと言うと可愛い部類の顔に入るからいつも間違われるんだけど…せんせーが助けてくれた時もそうだったし。でもね、本当はガンガンに突きたい方なんだ。」 そう言ったしょうの目が雄のぎらぎらとしたそれに変わるのを見て、ギャップにドキッとすると同時に我慢していた疼きも戻ってきた。 「すぐるも?」 自分を組み敷いているすぐるに櫂が問う。 「僕もずっと先輩を抱きたくて抱きたくて。でも、無理強いはしたくなかったし…そしたら告白の話されて…僕達はせんせーも受けだって知ってたから、うまくすれば僕達二人の願いが叶うって、あぁ、ようやく先輩を僕ので気持ち良くさせてあげられるって、だから本当に嬉しくて。ねぇ、先輩…僕のは合格ですか?」 すぐるがズルっとズボンを下げると、櫂がゴクリと喉を鳴らした。 俺もすぐるのモノから目が離せなくなってしまった。 アレが入ったら、どこまで届くのだろう?そんな事を考えて、頭をブンブンと振る。 「すぐる…俺、これが欲しい。もう、苦しくて辛くて…なぁ、俺にこれを入れてくれよ!」 櫂がはぁはぁと息を荒くしてすぐるに頼み込んでいる。 「先輩…僕のこと好きになってくれる?せんせーより、僕を選んでくれる?そしたら、先輩が満足するまで…ううん、やめてって言っても突き続けてあげる。気持ち良くしてあげるから、だからねぇ、僕を選んでよ?」 「選ぶ!すぐるを選ぶから、これを俺のモノにさせて!せんせー、ごめんね。俺、すぐるの方が好きみたい。」 ご勝手にどうぞと言うと、櫂がありがとうと言ってすぐるにキスを強請っているのが見えた。 すぐるがそれに応じていやらしい音を立ててキスをしながら、櫂の太ももの間に手を入れるとヌプヌプとローションと指のかき混ざった音が聞こえてきた。 それと同時に櫂の甘く切ない声も俺の耳を刺激する。まぁ、耳だけじゃないが。 「せんせー。俺のは合格点もらえるかな?」 熱っぽい目で俺を見ながら、しょうがすぐると同じようにズボンを下げると、しょうと同じくその顔に見合わぬ立派なモノが俺の目の前に曝け出された。

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