6 / 12
第6話 リスクアセスメント
テクニックやスキル、キャリアなど持っていないただの売れないサラリーマンだ。
かつていた先輩 も、上司も凄腕 過ぎて、手出しできないほどの軟弱者 だ。よっぽどやる気があるならば別だが、そこまで気を遣う必要性を見出せない。
やはり、ここまでなのだろう。自分のちっぽけな能力は。
羨 ましさを滲 ませ、視線を送るあの子へと――。
久々に、リスクを負っていようとも構わない。少し危険な匂 いのする冒険に重たい腰を起こそうと立ち上がる。
「話がある。教えてください。」
ともだちにシェアしよう!